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《櫻井ジャーナル》

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2016.10.16
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 ハッキングされたヒラリー・クリントンに関係した電子メールが公開され続けている。国務長官時代、機密情報の取り扱いに関する法規に違反していたと指摘されたのが始まりで、捜査の対象になった。ジェームズ・コミーFBI長官は7月5日の声明で、そうした違反があった可能性があることを認めたのだが、司法省に対して彼女の不起訴を勧告する。証拠となる万2000件近い電子メールが削除されていたことが不起訴になった理由のひとつだというのだが、NSAの内部告発者であるウィリアム・ビニーは、電子情報機関のNSAが全ての電子メールを記録しているので、FBIがその気になれば調べられるとしている。つまり、彼女の行動には関係なく、起訴する意思がないということだ。

 その後、内部告発支援グループのWikiLeaksが彼女に関係した電子メールを公表した。対抗して民主党やアメリカ政府は有力メディアを使い、証拠を示すことなくロシア政府がハッキングしていると叫び、中身に人びとの関心が向かないように必死だ。かつて、「沖縄返還」に関する密約の存在を明らかにした西山太吉記者に対するマスコミの攻撃を思い出させる手法だ。

 ロシアがサイバー攻撃しているとアメリカのメディアは宣伝しているが、サイバー攻撃の本家本元はアメリカのNSAとイスラエルの8200部隊だ。この2機関は緊密な関係にあり、イランの核関連施設を攻撃するためにコンピュータ・ウィルスを感染させた。侵入したコンピュータ・システムに関する情報を入手して外部に伝えるFlameとそのプラグインであるStuxnetだ。この攻撃をニューヨーク・タイムズ紙が初めて伝えたのは2012年6月のことだが、ウイルスが発見されたのは10年のこと。発見が遅れたなら、深刻な核事故が起こっていた可能性が高い。

 NSAはイギリスのGCHQと共同でUKUSAも組織している。1946年3月に締結された協定に基づいて作られ、その下にカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの電子情報機関があり、各国政府の指揮系統から外れて活動、一種の国家内国家として機能している。ドイツ、フランス、イタリア、南ベトナム、日本、タイなどは「第三当事国」に分類されているが、アングロ・サクソン系5カ国とは全く立場が違う。

 実は、NSAやGCHQは創設からしばらくの間、その存在が秘密にされていた。初めて公にされたのは1972年だ。この年、ランパート誌の8月号にNSAの元分析官の内部告発記事が掲載され、その中で明らかにされている。電子技術が飛躍的に発達した現在、各国要人の通信などを盗聴、脅しにも使っているようだ。

 GCHQに関する詳しい報告を初めてしたのはふたりのジャーナリスト、ダンカン・キャンベルとマーク・ホゼンボールだ。1976年にふたりはイギリスのタイム・アウト誌で調査結果を発表したのだが、アメリカ人だったホゼンボールは国外追放になり、キャンベルは治安機関のMI5から監視されるようになる。

 そのダンカンは1988年にECHELONという全地球の通信を傍受するシステムの存在を明らかにした。ロッキード・スペース・アンド・ミサイルに勤めていたマーガレット・ニューシャムの内部告発が調査の発端だったようだ。アメリカのストローム・サーモンド上院議員の電話をNSAが盗聴していたと暴露したのである。盗聴に使われたのはイギリスにある巨大通信傍受基地メンウィズ・ヒルだという。(Duncan Campbell, 'Somebody's listerning,' New Statesman, 12 August 1988)

 アメリカとイギリスの情報機関が連携するメリットのひとつは、自国民の監視が法律で禁止されている場合、もうひとつの国の機関に監視を依頼すれば法律に違反しないということにある。

 1990年代になってヨーロッパ議会もECHELONに関する報告書を出しているが、その中で監視システムや暴動鎮圧技術のターゲットは反体制派、人権活動家、学生運動の指導者、少数派、労働運動指導者、あるいは政敵になる可能性が高いと警告している。日本でも通信傍受、CCTV、車両認識システム(Nシステム)の監視網は広がっているため、人の動きを詳細に記録することが可能だ。

 それだけでなく、個人の学歴、銀行口座の内容、ATMの利用記録、投薬記録、運転免許証のデータ、航空券の購入記録、住宅ローンの支払い内容、電子メールに関する記録、インターネットでアクセスしたサイトに関する記録、クレジット・カードのデータなどあらゆる個人データの収集と分析をしている。

 また、市スーパー・コンピュータを使って膨大な量のデータを分析、「潜在的テロリスト」を見つけ出そうともしている。つまり、どのような傾向の本を買い、借りるのか、どのようなタイプの音楽を聞くのか、どのような絵画を好むのか、どのようなドラマを見るのか、あるいは交友関係はどうなっているのかなどを調べ、思想を監視しようというわけだ。

 第2次世界大戦の終盤にアメリカの情報機関は「テロ部隊」を編成、その人脈によってOPC、CIAの計画局、作戦局(1973年から)、NCS(国家秘密局/2005年から)、そして2015年にCIAは大々的な組織再編を行い、デジタル・スパイに焦点を当てようとしているとされている。サイバー攻撃に力を入れるということだ。






最終更新日  2016.10.16 04:07:56
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