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《櫻井ジャーナル》

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2016.11.14
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 バラク・オバマ大統領は国防総省に対し、シリアで政府軍と戦っているアル・カイダ系武装集団のリーダーを見つけ、殺すように命じたという。バシャール・アル・アサド政権の打倒を諦め、口封じを始めたのだろう。イギリスも似たことをしているようだ。

 本ブログでは何度も書いてきたように、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアなど侵略勢力の手先だが、昨年9月末から始められたロシア軍の空爆で劣勢になった。ここにきて重航空巡洋艦(空母)クズネツォフ提督を中心とする艦隊がシリア沖に到着、しかもシリアやロシアとの戦争に消極的なドナルド・グレッグがアメリカの次期大統領に決まったことで「敗戦処理」を始めたようにも見える。

 アメリカ政府にしてみると、用済みなので処分するということなのだろうが、殺害リストに載った戦闘集団の幹部たちにしてみるとアメリカ政府は裏切り者。報復に出る可能性もある。末端の戦闘員も「雇い止め」になる可能性が高いが、各国へ「難民」として流れ込むと面倒なことになる。難民の受け入れを規制する必要があるのだが、EUはそうしたことができない可能性がある。

 1960年代から80年代にかけて、コミュニストが強かったイタリアでアメリカ主導の秘密部隊グラディオが「極左」を装って爆弾攻撃を繰り返し、左翼叩きと治安体制の強化を推進したが、その時は攻撃部隊をコントロールできていた。アル・カイダ系武装集団に参加してEUへ逃げ込む人びとをアメリカやイギリスがコントロールできるのだろうか?

 1970年代の終盤から自国の危険分子を戦闘員として外国へ送り出していたサウジアラビアにとっても危険な状態。すでにサウジアラビアは財政赤字で厳しい状況に陥っているわけで、戦闘員として戦っていた人びとが帰国した場合、王制が揺らぎ、石油の供給体制も揺らぐ可能性がある。中東に石油を依存している国にとっては深刻な事態だ。

 サウジアラビアなどペルシャ湾岸の産油国が不安定化するとドルの循環が滞り、投機市場も動揺するだろう。すでにロシアや中国などではドルからの離脱を進めているが、その流れが加速してドルが基軸通貨の地位から陥落すると、アメリカを中心とした支配システムも倒れる公算大。すでにこのシステムは腐敗が進んでいたので倒壊は必然だが、倒れ方は問題。日米欧の支配層が自分たちの行ってきた「汚いこと」を隠そうとしたなら、事態はさらに悪くなる。おそらく、アメリカにとって最善の道はロシアや中国と手を組むことだが、世界制覇を目指していた勢力はそれを嫌うだろう。






最終更新日  2016.11.15 00:15:56



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