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《櫻井ジャーナル》

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2017.01.09
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次期政権国防総省人事をどうするかで揉めているようだ。内定している長官はジェームズ・マティス退役海兵隊大将だが、移行チームが提示する人事案をことごとく拒否しているという。マティスが同省の要職を自分に忠誠を誓っている人間で固めたがっているのに対し、移行チームはトランプに近い人物を配置しようとしているとされている。

 移行チームに上級顧問として参加していたネオコンのジェームズ・ウールジー元CIA長官がすでに離脱しているが、これに続く内紛の発覚(ネオコンによるリーク)。ドナルド・トランプのそばにはバラク・オバマ政権の反シリア政府軍支援策を批判してDIA局長を2014年8月に解任されたマイケル・フリン退役陸軍中将がいて、その意向と対立しているとも考えられる。

 繰り返し書いてきたように、フリンはDIA長官としてホワイトハウスに対し、シリア政府軍と戦っている主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・ヌスラ)であり、西側、湾岸諸国、そしてトルコが支援していると指摘していた。オバマ大統領が言うような「穏健派」は事実上存在しないと報告していたのだ。

 その報告書が提出されたのは2012年の8月。その中で、アメリカ政府が方針を変えなければ、シリア東部にサラフ主義の支配地が作られるとも予測していた。この予測は2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言されて現実の問題になる。6月にはモスルを制圧するが、その際にトヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねてパレード、その様子が撮影されて世界に配信されて広く知られるようになった。

 このパレードに少なからぬ人が疑問を抱いたことは言うまでもない。アメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人からの情報などで各国政府軍の動きや武装勢力の動きを把握していたはず。「イスラム首長国」の建国を宣言したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の動きもわかっていて爆撃には絶好の目標だっただろうが、アメリカ軍は動かなかった。フリンDIA局長がジェームズ・クラッパー国家情報長官に解任されたのはモスル制圧の2カ月後である。

 クラッパーはトランプを攻撃するため、根拠や証拠を示さずにロシア政府がヒラリー・クリントンや民主党などの電子メールをハッキングしたと主張、報告書を出している人物でもある。勿論、この報告書にも根拠や証拠は示されていない。偽情報を平然と流せる神経の持ち主だということだ。

 トランプはフリンと同じようにアル・カイダ系武装集団やダーイッシュを危険な存在だと認識している。2011年10月から15年9月まで統合参謀本部議長を務めたマーティン・デンプシー陸軍大将と同じ考え方だ。デンプシーもアル・カイダ系武装集団やダーイッシュに関し、オバマ大統領と意見を異にしていた。

 オバマはヒラリー・クリントンを含む好戦派と同じで、サラフ主義者/ワッハーブ派を主体とする戦闘集団を使ってシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒そうとしてきた人物。この戦術は1970年代の終盤、ジミー・カーター大統領の安全保障担当補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがはじめたもの。

 ブレジンスキーの教え子のひとり、マデリーン・オルブライトはヒラリーと親しい人物で、1997年に国務長官になるとビル・クリントン政権をユーゴスラビア攻撃へと導いている。偽情報で好戦的な雰囲気を作り上げた上で侵略するという手口はこの時からシステム化された。オバマもブレジンスキーの弟子だと言われている。

 ネオコンをはじめとする好戦派、つまりロシアや中国と核戦争も辞さずに世界制覇を目指そうとしてきた勢力はトランプに対する攻勢を今後も弱めそうにない。有力メディアだけでなく、議会は民主党も共和党もネオコンの強い影響下にあるが、それでもトランプ側は強気のようだ。何か「隠し球」を持っている可能性もある。





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最終更新日  2017.01.09 02:22:49



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