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《櫻井ジャーナル》

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2017.01.14
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シリアの首都ダマスカスに近いメゼー軍事空港が1月13日に攻撃された。イスラエル北部にあるティベリアス湖の上空からイスラエルの戦闘機がミサイルを発射したという。戦闘機がシリア上空へ侵入した場合、シリア側の防空システムに捕まって撃墜される可能性があり、そうした攻撃をしたのだろう。先月にイスラエルは同じ空港を地対地ミサイルで攻撃したとも伝えられている。

 この基地はシリア軍がダマスカスの水源地を奪還するための拠点に使い、作戦は12日に目的を達成したとされている。それに対する報復、つまりシリア政府軍を攻撃しているアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を支援しているとも言えるだろう。

 こうした反政府軍は水源地にディーゼル燃料などを投入し、12月22日から使用できない状態になっていた。政府軍が水源地の奪還作戦を始めると、27日に給水施設が爆破している。水源地周辺はアル・カイダ系武装集団が制圧していたので、政府側は修理ができないでいた。そこで、軍隊を投入して奪還を図っていたわけだ。

 奇妙なことに、そうした状況の中、「白ヘル」を含む「民間団体」が政府軍の攻撃中止を条件に、給水施設を直すとする声明を出していた。アル・カイダ系武装集団と友好的な関係にあることを示している。

 シリア政府軍兵士の処刑に立ち会って死体を処理したりしている映像がインターネット上を流れているほか、「白ヘル」の責任者ラエド・サレーはアメリカへの入国を拒否されている。アメリカ政府も「白ヘル」の責任者が「テロリスト」と結びついている疑いがあると判断しているわけだ。

 白ヘルは2013年に創設され、人道的な援助活動をしている非武装で中立な団体だと自称している。CIAの資金を流しているUSAIDを通じ、アメリカの国務省は彼らに2300万ドル(総額か年額か不明)提供していることを認めている。創設者であるジェームズ・ル・メジャーの出身国イギリスだけでなく、日本のJICA、デンマークやオランダの政府も資金を提供しているとされている。

 ところで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は2016年5月、ロシアとパイプを持っているアビグドル・リーバーマンを国防大臣に据え、ネタニヤフ自身も盛んにモスクワを訪問するようになり、6月7日にはプーチン大統領と会談している。

 イスラエルとトルコで何らかの話し合いがあったと見られ、6月下旬にはレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がトルコ軍機によるロシア軍機撃墜をウラジミル・プーチン露大統領に謝罪、7月13日にはトルコ首相がシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆していた。エルドアン政権の打倒を目指す武装蜂起はその2日後に起こった。

 クーデターを仕掛けたのはフェトフッラー・ギュレンを黒幕だとエルドアン政権は主張している。ギュレン派は国家警察の内部に食い込んでいると言われ、1月10日にはエルドアン大統領の元警護スタッフが逮捕されている。このギュレンは1999年にアメリカへ渡り、アメリカ支配層の保護下に入ったとされている。

 ネタニヤフ政権はシリア政府を支援しているロシアに接近、エルドアン政権もロシアへ近づいている。そうした動きがあるにもかかわらず、イスラエルはシリアの軍事空港を攻撃したわけだ。ここにきてイスラエルは国連などの場でアメリカ政府から強い圧力を受けているが、今回の攻撃にはそうした背景があるかもしれない。

 ここでシリア軍がイスラエル領内を報復攻撃すれば戦火は拡大、ロシアの和平構想はダメージを受け、バラク・オバマやヒラリー・クリントンを担ぐ好戦派の思う壺だ。






最終更新日  2017.01.14 03:31:21



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