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《櫻井ジャーナル》

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2017.01.22
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トルコ軍の戦闘機8機がロシア軍の戦闘機9機と共同してダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の部隊を1月18日に空爆したと伝えられている。NATO加盟国の軍隊がロシア軍と手を組んだわけで、存在意義が問われているNATOにとって衝撃的な出来事だと言えそうだ。

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は2016年6月下旬にイスラエルとの和解を発表、ロシアのウラジミル・プーチン大統領に対してロシア軍機の撃墜を謝罪した。ネオコンが1992年2月に国防総省のDPG草案として作成した世界制覇計画、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンに両国政府は見切りをつけたと言えそうだ。

 1991年12月にソ連は消滅したが、それによってアメリカは唯一の超大国になったと認識、その超大国に君臨している自分たちは世界の覇者になろうとしていると考えた。そこで、2度とソ連のようなライバルが出現しないように、彼らは旧ソ連圏のほか西ヨーロッパ、東アジアなどがライバルに成長することを防ごうとする。そのためにも、力の基盤になるエネルギー源が地下に存在する西南アジアを支配しようと考えた。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、DPGが作成される前の年にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていている。イラクはアメリカ軍が主導する連合軍の先制攻撃で、シリアはアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュを使った侵略でアメリカ政府は破壊と殺戮を実行してきた。

 石油を支配すれば国家を支配でき、食糧を支配すれば人びとを支配でき、カネを支配すれば全世界を支配できるとヘンリー・キッシンジャーは1970年代に語ったと言われている。カネは基軸通貨として扱われているドルを巨大金融機関が支配、食糧は遺伝子操作作物を蔓延させることで支配を狙っている。

 こうした支配の及んでいない数少ない国のひとつがロシアだ。石油/天然ガスの輸出国であり、食糧も自給でき、ドル決済からの離脱を進めている。そのロシアを支配するためなら核戦争も厭わないとう姿勢を見せていたのがジョージ・W・ブッシュやバラク・オバマといった大統領であり、ヒラリー・クリントンがその後継者になるはずだった。

 ヨーロッパは勿論、中東や北アフリカを軍事的に制圧する道具としてNATOは機能してきた。そうした軍事行動を進める上でトルコの果たした役割は大きかったのだが、NATOを動かしてきたネオコンの戦略がトルコを経済的に破綻させ、ロシアへ接近させることになったのが現在の状況だ。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権にも同じことが言える。

 ネオコンの戦略で苦境に陥ったもうひとつの国がサウジアラビア。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュの雇い主だが、石油価格の下落で財政赤字が深刻化している。アメリカの対ダーイッシュ攻撃に参加する姿勢を見せている背景にはそうした状況がある。アメリカの対ダーイッシュ攻撃は見せかけにすぎないということもあるが、そうした姿勢を見せねばならなくなっていることは確かだ。ドナルド・トランプ政権の国務長官、エクソンモービルの会長兼CEOだったレックス・ティラーソンはサウジアラビアにとって頼みの綱だろう。






最終更新日  2017.01.22 02:41:28

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