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《櫻井ジャーナル》

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2017.02.19
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ニューヨーク・タイムズ、NBCニューズ、ABC、CBS、CNNのような偽報道メディアはアメリカ人民の敵だとドナルド・トランプ大統領はツイッターに書き込んだ。確かに間違いではない。ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナなどアメリカの侵略を正当化するプロパガンダを繰り広げてきたのは、こうしたメディアにほかならない。

 その一方、支配システムの暗部を暴こうとする人びとを彼らは徹底的に攻撃する。そのひとり、ゲーリー・ウェッブは1996年8月、サンノゼ・マーキュリー紙に「闇の同盟」というレポートを連載、ロサンゼルスへ大量に流れ込んでくるコカインとニカラグアの反革命ゲリラとの関係にメスをいれたのだが、そのことが攻撃を受ける理由だった。

 ウェッブ以外にもCIAと麻薬取引との関係を明らかにした人はいる。例えば、ベトナム戦争におけるヘロイン取引を取り上げた研究者のアルフレッド・マッコイ、ニカラグアの反革命ゲリラとコカイン取引を伝えたジャーナリストのロバート・パリーだ。

 コカインが大量に流入していたロサンゼルスでは警察もそうした事実を把握していた。1970年代にこの問題を調べた捜査官のマイク・ルパートは退職してからジャーナリストになり、ある集会でジョン・ドッチCIA長官へ直接この問題を質問、長官に内部調査を約束させた。そして1998年にIGレポートが公表され、ウェッブの記事が正しいことを確認する形になった。勿論、ウェッブの記事を「偽報道」扱いしたニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙のような有力メディアは謝罪も訂正もしていない。

 こうした有力メディアとCIAとの関係をウォーターゲート事件で有名になったジャーナリストのカール・バーンスタインが明らかにしている。彼は1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、その直後に「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いたのだ。それによると、400名以上のジャーナリストがCIAのために働き、1950年から66年にかけて、ニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 最近では、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙(FAZ)の元編集者、ウド・ウルフコテもメディアとCIAとの関係を告発している。彼によると、ジャーナリストとして過ごした25年の間に教わったことは、嘘をつき、裏切り、人びとに真実を知らせないことで、多くの国のジャーナリストがCIAに買収されているとしている。その結果、ヨーロッパの人びとはロシアとの戦争へと導かれ、引き返すことのできない地点にさしかかっているとしていた。そして2014年2月、この問題に関する本を出したという。

 CIAの報道統制は第2次世界大戦が終わって間もない1948年頃に始まっている。大戦中から情報/破壊活動に従事していたアレン・ダレス、その側近で極秘機関OPCを指揮していたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で後にCIA長官となるリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだ。この4人が中心になったプログラムは「モッキンバード」と呼ばれている。

 カール・バーンスタインやウド・ウルフコテが言っているように、有力メディアとCIAは緊密な関係にある。そのCIAと敵対関係にあるトランプが有力メディアをアメリカ人民の敵だと表現するのは必然なのだろう。






最終更新日  2017.02.19 08:13:31

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