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《櫻井ジャーナル》

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2017.03.21
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東京琉球館で4月15日18時からCOGプロジェクトについて話します。予約制とのことですので、興味のある方はあらかじめ下記まで連絡してください。

東京琉球館
住所:東京都豊島区駒込2-17-8
電話:03-5974-1333
http://dotouch.cocolog-nifty.com/

COGは「Continuity of government(政府の継続)」の略称で、憲法の機能を停止させる一種の戒厳令計画です。第2次世界大戦後、アメリカでは「レッドパージ」の嵐が吹き荒れましたが、その実態は「反ファシスト派狩り」と呼ぶべきものでした。

本ブログでは繰り返し書いていますが、1930年代にはドイツの巨大企業だけでなく米英の巨大金融資本がナチスを支援、1932年の大統領選挙でニューディール派のフランクリン・ルーズベルトが当選すると、翌年からクーデターを計画しています。これは海兵隊の伝説的な軍人、スメドリー・バトラー少将が議会で証言して明らかになりました。少将はクーデター派に対し、カウンター・クーデターを宣言していたとも言います。

大戦の末期になるとルーズベルト大統領はアメリカの親ファシスト派を摘発する動きを見せるのですが、1945年4月に大統領が執務中に急死、金融資本がホワイトハウスの主導権を奪還しました。

そして1950年9月には、スパイ活動や破壊活動を企む恐れがあると判断された人物を逮捕、拘留する権限を大統領にあたえるマッカラン治安法が発効、71年に反拘留法が成立するまで続きます。

その間、ドワイト・アイゼンハワー政権の好戦派はソ連や中国に対する先制核攻撃を計画しますが、それにともない、1958年には緊急時における秘密政府の閣僚、いわゆるアイゼンハワー・テン(E-10)が選ばれました。

まだマッカラン治安法が生きていた1970年には憲法が認めていないような行為、例えば令状なしの盗聴、信書の開封、さまざまな監視、予防拘束などをFBIやCIAなどに許す内容の法案が成立しそうになります。これはJohn Mitchell司法長官がリチャード・ニクソン大統領を説得して廃案にしました。(Len Colodny & Tom Schachtman, “The Forty Years Wars,” HarperCollins, 2009)

こうした治安強化の動きは反戦運動の高まりと無縁ではありません。公民権運動から反戦運動へ活動の範囲を広げていたマーチン・ルーサー・キング牧師は1968年4月に暗殺されますが、その直後に各地で暴動が起こります。そこでアメリカ軍は暴動鎮圧を目的とした2旅団(4800名)を編成(ガーデン・プロット作戦)しましたが、ケント州立大学やジャクソン州立大学で学生に銃撃したことを受け、ニクソン政権は1971年に解散させます。そのウォーターゲート事件でニクソン大統領は1974年に辞任、それにともなって政権は終わりました。

副大統領から大統領に昇格したジェラルド・フォードの政権ではネオコンが台頭、中ソとの緊張緩和を目指すデタント派が粛清されています。次のジミー・カーター政権ではサミュエル・ハンチントンやズビグネフ・ブレジンスキーによってFEMA(連邦緊急事態管理庁)が組織され、ロナルド・レーガン政権になると反乱鎮圧チームや強制収容所が計画されたようです。この流れでCOGプロジェクトは始まりました。(Peter Dale Scott, “The American Deep State,” Rowman & Littlefield, 2015)

COGが議会で始めて取り上げられたのは1987年7月に開かれた「イラン・コントラ事件」の公聴会においてです。オリバー・ノース中佐に対し、ジャック・ブルックス下院議員が「大災害時に政府を継続させる計画」について質問したのですが、委員長のダニエル・イノウエ上院議員が「高度の秘密性」を理由にして質問を遮ってしまいました。

その翌年、1988年に大統領令12656が出され、COGの対象は核戦争から「国家安全保障上の緊急事態」に変更されました。そして2001年9月11日に「国家安全保障上の緊急事態」が発生したとされ、「愛国者法」が出現、アメリカの憲法は機能を停止します。COGがなければ愛国者法があれほど速やかに提出されることはなかったでしょう。日本で問題になっている緊急事態条項を考える上でも、このプロジェクトを知る必要があるはずです。





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最終更新日  2017.03.21 14:30:21



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