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《櫻井ジャーナル》

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2017.04.09
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アメリカ軍がシリアの空軍基地をトマホーク巡航ミサイルで攻撃した後、ニッキー・ヘイリー国連大使はさらにシリアを空爆する用意があると国連で発言した。例によってアメリカは証拠を示すことなく「自分を信じろ」と言うだけ。説得力はない。2013年にシリア政府が化学兵器を廃棄したことは国連の調査官も認めていることで、化学兵器を使用する理由もない。

本ブログでも紹介したように、現在、化学兵器を保有しているのはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。アメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどが支援する勢力だ。ちなみに、今回の攻撃で最初に歓迎の意を示したのはサウジアラビア、次いでイスラエルとトルコだった。

ジョン・マケインやリンゼー・グラハムのような民主党のネオコン議員は今回の攻撃を賞賛しているが、ヒラリー・クリントンの場合、攻撃の数時間前、トランプ大統領に対してシリア政府軍が使っている空港を使えなくするように要求していたという。クリントンが望むことをトランプは実行したことになる。

これまでロシア政府はアメリカ側の挑発に乗らず、自重してきた。そこで侮っているのかもしれないが、それはいつか限界がくる。今回、ロシアの国防省とアメリカのペンタゴンとを結んでいたホットラインは切られた状態のようで、地中海に入ったロシア海軍のフリゲート艦「グリゴロビチ提督」もアメリカ海軍の艦船と対峙することになるだろう。このフリゲート艦に積まれたカリブル巡航ミサイルは亜音速から最終的にはマッハ2.5から2.9という超音速で飛行、アメリカの艦船にとっては脅威になる。

ところで、アメリカによる巡航ミサイルの攻撃に対し、シリア側の防空システムは機能していない。目標になった空軍基地にS-300やS-400は配備されていなかったというが、イスラエル空軍による攻撃に対しても稼働していない。役立たずなのか、スイッチが切られているのだろうが、スイッチが切られていたのなら、今後は侵入機を撃墜する可能性がある。

1991年1月にアメリカ軍主導でイラクを先制攻撃、2月まで戦争は続いた。この際、ジョージ・H・W・ブッシュ政権はサダム・フセインを排除せずに停戦、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官などネオコンは怒るが、その際にソ連軍が出てこなかったことから単独で軍事力を行使できると考えるようになった。ソ連消滅後、核兵器は「使える兵器」になったとも考えたようだ。

1992年2月、ウォルフォウィッツたちネオコンは国防総省のDPG草稿という形で世界制覇プランを作成する。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。アメリカは「唯一の超大国」であり、どの国も脅せば屈するという発想で動き始める。

1990年代、ボリス・エリツィン時代のロシアは西側巨大資本の属国だったが、21世紀になるとウラジミル・プーチンが再独立に成功、ウォルフォウィッツ・ドクトリンの基盤は崩れる。それにもかかわらずネオコンはドクトリンを推進、核戦争の危機が高まっているわけである。

そうした状況を危険だと考える人はアメリカ支配層の内部にも現れたが、ドナルド・トランプ政権はネオコンに制圧されたようで、危機は再び高まっている。ヘイリー大使の発言はそれを象徴している。






最終更新日  2017.04.09 09:23:31


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