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《櫻井ジャーナル》

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2017.04.12
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アメリカのレックス・ティラーソン国務長官がロシアを訪問する直前、ロシアのウラジミル・プーチン大統領はイタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領との共同記者会見に臨んでいる。その席上、4月4日の有毒ガス流出事件は偽旗作戦だと明言、さらなる化学兵器による攻撃が計画されていると語っている。

今回の毒ガス事件にシリア政府は責任がなく、それに続いて4月7日に実行されたアメリカ軍によるシリア軍の空軍基地攻撃に正当性がないことはCIAも認めていることだが、それをプーチンが口にしたことは興味深い。プーチンはティラーソン長官と会談もしない。

ジャーナリストのロバート・パリーによると、マイク・ポンペオCIA長官は分析部門の評価に基づき、4月6日、つまり巡航ミサイルによる攻撃の前日に、バシャール・アル・アサド大統領は致死性毒ガスの放出に責任はなさそうだとドナルド・トランプ大統領に説明していたという。

化学兵器がシリアの反政府軍、つまりアメリカなどNATO諸国、サウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国、そしてイスラエルなどが送り込んだアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が保有するようになるのは遅くとも2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ政権が倒された後。CIAはリビアから武器をトルコ経由でシリアの反政府軍へ秘密裏に運ぶのだが、その中に化学兵器も含まれていた。

そうした工作の拠点がベンガジにあるCIAの施設で、アメリカ領事館も重要な役割を果たし、2012年9月10日にはクリストファー・スティーブンス大使がCIAの工作責任者と会談、その翌日には海運会社の代表と会っている。その直後にベンガジの領事館が襲撃されて大使は殺されたわけだ。その当時のCIA長官がデイビッド・ペトレイアスであり、国務長官がヒラリー・クリントンだった。

襲撃の前月、つまり2012年8月にバラク・オバマ大統領はシリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと宣言、その年の12月にクリントンは「自暴自棄になったシリアのアサド大統領は化学兵器を使う可能性がある」と主張、13年1月になると、イギリスのデイリー・メール紙はアメリカの偽旗作戦に関する記事を掲載している。シリアで化学兵器を使い、その責任をアサド政権になすりつけて非難、国際的な軍事行動につなげようという作戦をオバマ政権が許可したというのだ。

そして2013年3月と8月に化学兵器が使われたと西側の政府や有力メディアは叫び、軍事介入へ突き進もうとする。勿論、この時に化学兵器を使ったのは反政府軍だった可能性がきわめて高い。その辺の事情は本ブログでも繰り返し書いてきたことなので、今回は割愛する。

イワンカの影響で攻撃を命じたとトランプの息子、エリックは語っているのだが、CIAが責任はないとしているシリア軍を娘の頼みで攻撃したということになってしまう。大統領がそれほど愚かだとは思えない。安全保障に関係した情報をトランプ大統領に説明しているのはH. R. マクマスター国家安全保障補佐官。大統領にシリアを攻撃させたのはこの人物だろう。

前にも書いたが、マクマスターはペトレイアス元CIA長官(2011年9月〜12年11月)の子分だと言われている。このペトレイアスはエル・サルバドルの汚い戦争に影響を受けている人物で、中央軍司令官、ISAF司令官兼アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官、そしてCIA長官に就任した。リチャード・チェイニー元副大統領やヒラリー・クリントンに近いことでも知られ、現在でもNSC(国家安全保障会議)に大きな影響力を持っているという。しかも、マクマスターとペトレイアスはシリアへ15万人規模のアメリカ軍を侵攻させようと目論んでいると言われているのだ。

しかし、この侵略計画が成功する可能性は小さい。通常兵器の戦争ではロシアが圧倒すると言われているからだ。プーチン体制になってロシアの軍事力が立て直されているのに対し、アメリカではソ連消滅で自分たちが唯一の超大国になったと思い込み、軍事力は単なるカネ儲けの仕組みになってしまった。その象徴が「空飛ぶダンプカー」とも呼ばれるF-35戦闘機だろう。開発コストはうなぎ登りだが、模擬空中戦でF-16に完敗したと伝えられている。戦術も戦争ビジネスを儲けさせるように変更された。

そうした現実が明確になったのは2015年9月30日以降。ロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどが支援しているアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を敗走させているのだが、その中でロシア軍の戦闘力が高いことを見せつけているのだ。

ロシア軍はシリアで軍事作戦を始めた直後、カスピ海の艦船から26基の巡航ミサイルを発射、全てのミサイルが約1500キロメートル離れた場所にあるターゲットに2.5メートル以内の誤差で命中したとされている。その後、地中海に配置されている潜水艦からもミサイル攻撃を実施したという。ロシア軍がこうした兵器を保有していることを知らなかったようだ。こうした兵器を使用したひとつの理由は、戦争でアメリカは勝てないということを示すことにあったと見られている。

そのほか、海底1万メートルを時速185キロメートルで進み、射程距離は1万キロに達するという戦略魚雷に関する情報が「誤って」外部に漏れるということもあった。この新型魚雷は空母を沈められるだけでなく、海岸線にある都市を破壊することができる。勿論、日本の原発はひとたまりもない。

S-300やS-400といったロシアの防空システム、あるいはマッハ6.2で飛行し、命中精度は5〜7メートルという地対地ミサイルのイスカンダル、亜音速から最終的にはマッハ2.5から2.9という超音速でターゲットへ向かうカリブル巡航ミサイルも話題になっている。

4月7日の攻撃でアメリカ軍は駆逐艦のポーターとロスから59発のトマホーク巡航ミサイルを発射、ロシア側の主張によると、23発が目標に到達したという。この数字は正しいようだ。つまり36発は途中で消えた。

アメリカ軍はS-400の迎撃をさけるため、トマホークはレバノン上空を通過させたようだが、そのうち5発は途中、地上に落下、残りは地中海に落ちたと見られている。ECM(電子対抗手段)や防空システムが使われたようだ。S-300やS-400などはロシア軍の防衛を優先していると言われ、今回はシリア軍の施設が攻撃されたことから、実際に使われたかどうかは不明だ。2013年の場合はこれほど多くのミサイルは発射されなかったのでシリアへ到達しなかった可能性が高い。

今後、ロシアやシリアはECMや長距離の防空システムを強化するだけでなく、中距離や短距離の防空システム、あるいは携帯型のシステム、機銃などの配備を進めると言われている。

そこで、ネオコンはロシアや中国を相手に、核戦争のチキン・ゲームを行っている。狂犬を装って恐怖を感じさせたり、暴力的な手段で脅せば屈すると彼らは信じている。拳銃やナイフを振りかざせば誰でも言うことを聞くという三文ドラマのようなシナリオだが、ロシアや中国には通用しない。





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最終更新日  2017.04.12 05:04:11
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