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《櫻井ジャーナル》

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2017.05.14
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5月14日午前5時半頃、朝鮮は同国の西岸から弾道ミサイル1発を発射したと伝えられている。韓国ではアメリカの好戦的な政策に抵抗している文在寅が新大統領に就任、13日にはノルウェーから朝鮮へ戻る途中の崔善姫北米局長が北京で記者のインタビューに応じ、条件が整えばアメリカ政府と話し合う用意があると語っていた。その軍事的な緊張を緩和させる動きを1発の弾道ミサイルが壊したと言える。ネオコンを含むアメリカの好戦派にとって好都合な行為。例によって、絶妙のタイミングだ。

話し合いの方向へ進む動きが出てくると強力なブレーキがかかるのはいつものこと。例えば、今年3月1日から2日にかけて崔善姫はニューヨークで元アメリカ政府高官と会談する予定になっていたのだが、アメリカの国務省がビザの発行を拒否したことでキャンセルされている。朝鮮だけでなく、アメリカにも東アジアの軍事的な緊張を緩和させたくない人びとが政府内にいるということだろう。勿論、安倍晋三政権もその好戦的陣営に属している。

そう言えば、キエフでネオ・ナチを使ったクーデターが進行中だった2014年2月4日、ビクトリア・ヌランド国務次官補(当時)がジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使と「次期政権」の閣僚人事を電話で話し合っている音声がインターネット上にアップロードされた。その中で、政府と反政府派との衝突を話し合いで解決しようとしていたEUに対し、ヌランドは「くそくらえ(F*ck the EU)」と口にしていた。

ネオコンの基本スタンスは「脅して屈服させる」。アメリカは何をしでかすかわからない国だと思わせれば自分たちが望む方向へ世界を導けるとリチャード・ニクソンは考え、イスラエルのモシェ・ダヤン将軍はイスラエルも狂犬のようにならなければならないと語ったそうだが、そういうことだ。

そうした考え方をする勢力に属しているひとりがヒラリー・クリントンであり、それを批判して大統領に選ばれたのがドナルド・トランプ。ところがトランプはロシアとの関係修復を主張、国家安全保障補佐官だったマイケル・フリン中将を解任し、クリントンの人脈の属すH. R. マクマスターに交代させた。クリントンは戦争ビジネス、金融資本、ネオコンなどを後ろ盾にしている。

そのクリントンの暗部に触れる電子メールの問題が昨年、話題になった。中東や北アフリカにおけるアル・カイダ系武装集団を使った秘密工作、リン・フォスター・ド・ロスチャイルドやジョージ・ソロスとの関係はすでに浮上している。

ところが、FBIのジェームズ・コミー長官は電子メールについて、クリントンが機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があることを認めたうえで、司法省に対して彼女の不起訴を7月5日に決めている。不起訴の理由について、証拠となる万2000件近い電子メールが削除されていたことが挙げられていたが、電子情報機関のNSAは全てのメールを記録しているので、FBIがその気になれば捜査は可能だった。

この決定から3カ月後、10月28日にコミー長官は7月の決定を翻してしまう。クリントンの電子メールに関する捜査を再開したと連邦議会に通知したというのだ。クリントンの側近中の側近として知られているフーマ・アベディンの元夫、アンソニー・ウィーナーが所有するパソコンから数万件に及ぶアベディン当ての電子メールが発見され、それが問題になっているという。

この決定も翻されるのだが、ここにきて問題になっているのはコミー解任後の人事。長官代理になったのは副長官のアンドリュー・マッカビ。妻のジルは2015年3月にバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、67万5000ドル以上をクリントンと親しいテリー・マコーリフなどから受け取っていたというのだ。2015年当時、アンドリューはFBIのワシントンDC担当で、クリントンの電子メール捜査を指揮する立場にあった。コミー長官を解任してマッカビを長官代理にする決定はドナルド・トランプでなく、ロッド・ロゼンスタイン司法副長官が行ったと伝えられている。



ロゼンスタインの書いたコミー解任案はクリントンと緊密な関係にある人物をFBIのトップに据え、トランプ大統領を「ロシア話」で攻撃する材料を有力メディアに提供した。この「ロシア話」に関する証拠、根拠は提示されていない。相変わらず偽報道だ。朝鮮のミサイルにしろ、FBI長官の解任にしろ、アメリカ支配層の内部における抗争が影響しているのだろう。






最終更新日  2017.05.14 18:40:33


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