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《櫻井ジャーナル》

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2017.07.06
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シリアの東部、クルド軍が支配している地域にアメリカ軍は新たに7つの軍事基地を建設したと伝えられている。手先の武装集団に任せていられない状況になってきたのだろう。

2016年9月、バラク・オバマ政権は特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣、今年に入って第11海兵遠征部隊がシリアで戦闘態勢を整えたと報道されているほか、アメリカの特殊部隊がクルド軍とラッカへ入ったとも言われているが、アメリカのロン・ポール元下院議員は第11海兵遠征部隊の動きをラッカをシリア政府軍より先に占領することが目的だろうと推測していた。

アメリカ、サウジアラビア、イスラエル、イギリス、フランス、トルコ、カタールなどの外国勢力が送り込んだサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心に編成された傭兵集団が急速に支配地域を縮小させる中、アメリカはクルド軍への支援を強化するだけでなく、自国軍を送り込んでシリアの領土を奪い取ろうとしている。

侵略国の中心はアメリカ、サウジアラビア、イスラエルで、カタールは天然ガスを輸送するパイプラインの建設計画に関するシリアのバシャール・アル・アサド政権との話し合いが不調に終わった後、侵略に加わった国。カタールとの関係が強いトルコも後から参加した国だ。そのカタールとトルコが侵略作戦から離脱、侵略している傭兵への支援を止め、トルコからシリアへ延びていた侵略軍の兵站線も細ってしまった。2015年9月30日にシリア政府の要請を受けたロシア軍が侵略軍への攻撃を始めたことが最も大きな要因で、カタールやトルコの戦線離脱にもつながった。

おそらく、当初の予定ではリビアと同じように途中からNATO軍、あるいはアメリカ主導軍の本格的な軍事侵攻を行い、アサド体制を倒す予定だったのだろうが、ロシアによって阻止されてきた。そこでアメリカ政府はイラクを侵略した時と同じように、「大量破壊兵器」を持ち出している。例によって証拠を示すことなく、シリア政府軍が4月4日に化学兵器を使ったと西側の政府や有力メディアは主張、アメリカ軍は4月6日夜に駆逐艦のポーターとロスから巡航ミサイルのトマホーク59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射させ、少なくとも数機は目標へ到達したと言われている。

しかし、この主張は証拠が示されていないと言うことだけでなく、マイク・ポンペオCIA長官が4月6日の早朝、ドナルド・トランプ大統領に対してシリア政府側は化学兵器を使用していないと説明していたと伝えられている。攻撃の直後、ロバート・パリーがCIAの内部情報として伝えている。

さらに、6月25日、シーモア・ハーシュも同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。彼によると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立てたのだが、その内容をアメリカ側へ知らせている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。そこでアメリカ側は攻撃前から監視していたはずで、CIAもシリア政府軍が化学兵器を使っていないことを知っていたわけである。

そうした情報が流れているにもかかわらず、アメリカ政府は現在、「政府軍による新たな化学兵器の使用」を演出、本格的な戦闘を始めると脅しているが、それに対し、ロシア軍は6月23日に地中海の東側にいるロシア海軍の2フリゲート艦と潜水艦から発射された6機のカリバル巡航ミサイルでダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の司令部や兵器庫を破壊、7月5日にはハマにあった侵略軍の司令部をTu-95長距離爆撃機から発射されたKh-101巡航ミサイルで攻撃した。カリバルとKh-101は新型兵器で、アメリカ軍が警戒しているもの。

カリバルは2015年にロシア軍が攻撃を始めて間もない頃、カスピ海に浮かぶ艦船から26機が発射され、1500キロメートル離れた11のターゲットへ正確に命中、アメリカ軍を震撼させた。ロシアがそうした兵器を持っていると考えていなかったのだ。

こうした最新型兵器による攻撃はアメリカ側に対する警告だと見られている。アメリカが地上軍を使って本格的な戦闘を始めたなら、ロシアがどのように攻撃するかを知らせたということだ。ネオコンとイスラエルはアメリカとロシアを軍事衝突させる方向へ導こうとしているが、そうなるとアメリカは一気に崩壊する可能性がある。

アメリカの中東や北アフリカにおける立場を悪くさせている国のひとつ、サウジアラビアではサルマン国王が6月21日に皇太子を甥のムハンマド・ビン・ナーイフから息子のムハンマド・ビン・サルマン交代させた。このビン・サルマン新皇太子は安全保障の分野を取り仕切っているが、ネオコンやイスラエルの影響下にあることでも知られている。

すでにサウジアラビアは財政の赤字化など支配システムが揺らいでいるが、ビン・ナーイルの解任は国内をさらに不安定化させることになった。クーデターに備え、イスラエル軍がF16やF15といった戦闘機、電子戦用の航空機など18機をサウジアラビアへ派遣したとも中東では伝えられている。ビン・サルマン皇太子がドイツで開かれるG20に出席するかどうかも注目されている。





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最終更新日  2017.07.06 13:12:01



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