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《櫻井ジャーナル》

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2017.10.08
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サウジアラビアの​ジッダにある宮殿近くで10月7日に侵入を図った人物と治安部隊との間で銃撃戦があり、侵入犯1名と治安要員2名が死亡​したという未確認情報が流れている。8月にはムハンマド・ビン・サルマン皇太子の暗殺未遂事件が伝えられていた。サウジアラビアの不安定化は深刻になっているようだ。

ビン・サルマン皇太子はサルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王の息子。国王は6月21日に皇太子を甥のムハンマド・ビン・ナーイフからビン・サルマンへ交代させ、ナーイフは自宅で軟禁されたと言われている。その後、イスラエル軍がF16やF15といった戦闘機、電子戦用の航空機など18機をサウジアラビアへ派遣したとイランのメディアは伝えていた。

この新皇太子は国防大臣で、軍事部門や情報部門に大きな影響力を持ち、その兄弟も要職についている。今年4月にエネルギー担当大臣へ就任したアブドラジズ・ビン・サルマンや駐米大使になったハリド・ビン・サルマンだ。次のステップとして、ビン・サルマン皇太子が国王に就任するのではないかと見られている。

こうした権力の集中は現国王の体制が不安定化していることを示唆していると見る人もいる。昨年12月には数十名の王子や王女が国外へ脱出し、カタールに対する兵糧攻めに反対した人々は逮捕されたという。9月には​聖職者や司法関係者も逮捕​されたと報道されている。こうした逮捕者の中には、サウジアラビア王室のシリア侵略、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を批判してきた人も含まれている。

本ブログでも指摘してきたが、サウジアラビアの総合情報庁長官を務めていたバンダル・ビン・スルタンの後、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュの主要メンバーだったサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を動かしてきたのはビン・サルマン皇太子だと言われている。ムスリム同胞団へも影響力を持っているが、このグループへの影響力はカタールの方が強いとされていた。

このビン・サルマン皇太子はネオコンやイスラエルと近い関係にあるとも言われているのだが、サウド国王がロシア訪問中、ウラジミル・プーチン大統領に防空システムS-400を購入したいという意向を伝えたとされている。この取り引きを成立させる条件として、ロシアはサウジアラビアに対し、サラフィ主義者への資金や武器の供給を止めるように求めるだろう。

この条件を呑むということはアメリカの好戦派に反旗を翻すことを意味し、アル・カイダ系武装集団なり、ダーイッシュなりの攻撃もありえる。1970年代の終盤、ズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンを侵略する傭兵を育成したが、そのときにサウジアラビア王室は国内の「過激派」を送り出した。その「過激派」は王室に対する破壊活動を開始していたのだ。そうした状況が再び現れる可能性も出てくる。

こうしたことを承知の上でサウジアラビア国王がロシアへ接近する理由として想定できるシナリオのひとつは、トルコと同じように、アメリカがサウジアラビアの現体制を倒そうとしたということ。真相は不明だが、中東再編の動きがサウジアラビアを巻き込もうとしている可能性は高い。





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最終更新日  2017.10.08 03:31:55



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