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《櫻井ジャーナル》

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2017.10.30
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アウンサン・スーチーが君臨するミャンマーに対する批判が高まってきた。スーチーが実権を握って以来、イスラム教徒のロヒンギャの集落が襲撃されて多くの住民が殺害されているのだが、アメリカやイギリスで育ち、教育を受けたスーチーは米英支配層の影響下にあり、西側の政府や有力メディアは見て見ぬ振りをしてきた。その状況が変化したようである。

襲撃グループはウィラトゥなる人物が率いる仏教徒はアウンサン・スーチーを支持している「民主化運動」の活動家たちだということもあってスーチーは虐殺を黙認、西側の反応は鈍かった。アメリカがスーチーの行為に寛容な理由は中国がミャンマーで進めていたプロジェクトにブレーキをかけることにあったのだろう。

軍事政権の時代からミャンマーの北部では石油や天然ガスのパイプラインが建設されていた。中国がミャンマーにパイプラインを建設した最大の理由は石油や天然ガスをマラッカ海峡を通らずに運ぶルートが欲しかったからだと見られている。

中国は一帯一路、つまり「シルク・ロード経済ベルトと21世紀海のシルク・ロード」を経済発展の基本プランだと考えている。それをアメリカは潰すため、日本を巻き込んで南シナ海の軍事的な緊張を高めてきた。その海域は中国から見て海上ルートの出発点だ。アメリカは中国の自由な航行を認める気がない。

マラッカ海峡を回避するために中国がプロジェクトを進めていたミャンマーとの関係をアメリカ政府は改善、2011年には「民主化」を実現する。2011年にはアメリカの国務長官だったヒラリー・クリントンがミャンマーを訪問してスーチーとも会い、2012年以降はそのスーチーが実権を握った。

こうした流れの中、パイプラインは予定より遅れたものの稼働したが、北部カチン州のイラワジ川上流に中国と共同で建設されていたミッソン・ダムの工事は2011年9月に中断が発表されたままだ。

しかし、その後、ミャンマー政府は中国との関係改善にも乗り出しているようにも見える。ラカイン州など経済的に遅れた地域の開発に中国が協力する姿勢を見せているのだ。ラカイン州はロヒンギャと仏教徒との衝突の舞台。こうした問題を緩和させるためには経済格差を改善する必要があるとミャンマー側も考えているのだろう。

一方、当初は仏教徒によるロヒンギャの集落襲撃を黙認してきた西側がここにきてロヒンギャの問題でミャンマーを批判するようになった。さらに、サウジアラビアが資金を出し、アメリカが支援するという形でワッハーブ派の戦闘集団がミャンマーに潜り込んでいるとも伝えられている。その基本的な仕組みはアメリカ政府が1970年代終盤にアフガニスタンで作り上げている。

その頃、ジミー・カーター政権で国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーはアフガニスタンを不安定化させてソ連を揺さぶるため、同国へサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を戦闘員として送り込む。サウジアラビアが兵員と資金を提供し、アメリカが戦闘員を軍事訓練して兵器/武器を提供、パキスタンの情報機関ISIが協力するという仕組みだ。

1991年にソ連が消滅した後、アメリカがユーゴスラビアで採用した作戦をミャンマーでも実行するのではないかと考えている人もいる。この時にアメリカ政府はアル・カイダ系武装集団をバルカンへ送り込み、セルビア人を殺させている。​1992年から95年の間にこうした武装集団が殺したセルビア人は2400名近い​という。

その結果としてセルビア人とイスラム教徒は武力衝突する。そのイスラム教徒にはアメリカが送り込んだ戦闘員以外の人も含まれていた。この衝突を西側の政府や有力メディアはセルビア人による虐殺だと描き、1999年3月にはNATO軍がユーゴスラビアを先制攻撃した。

1992年に「ニューズデー」のロイ・ガットマンは16歳の少女がセルビア兵にレイプされたと報道、反セルビア感情が世界に広がる切っ掛けをつくったが、この話は嘘だということが別のジャーナリスト、マーティン・レットマイヤーによって確認されている。この時に「人権擁護団体」も偽情報を流す上で重要な役割を果たしたが、その背後では広告会社が暗躍していた。

西側はコソボをユーゴスラビアから分離独立させたが、アメリカの手駒になっていた勢力は麻薬や臓器の密輸で儲けていたと言われている。また、2006年3月から08年1月までコソボ自治州の首相だったアギム・セクはクロアチア軍の准将だった人物で、1995年に同軍は民族浄化、つまり非クロアチア系住民の虐殺を目的とした嵐作戦を実行している。そのコソボにアメリカは軍事基地を建設した。

こうしたことが東南アジアでも行われると懸念する人がいる。ミャンマー政府も懸念しているようで、昨年6月、​ミャンマーとロシアの国防相は軍事協力で合意​している。アメリカの破壊工作をロシアはここでも阻止しようとしているのだろう。






最終更新日  2017.10.30 16:48:08

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