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《櫻井ジャーナル》

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2017.12.30
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日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれつつあり、大陸への攻撃準備を進めているように見える。本ブログでは以前にも書いたが、日本は「専守防衛」を放棄、安倍晋三政権もこの理念を尊重する気など更々ないだろう。

最近の動きを見ると、2015年に就航したヘリコプター護衛艦の「いずも」は艦首から艦尾まで平らな「全通甲板」を有し、垂直離着陸が可能なMV22オスプレイやステルス戦闘機F-35Bの離発着が想定されていると言われていた。その外観は2014年にアメリカ海軍が就航させた強襲揚陸艦「アメリカ」を連想させる。

F-35は高額低性能な戦闘機で、「空飛ぶダンプカー」とも呼ばれている。2015年1月にカリフォルニア州のエドワード空軍基地近くで行われたF-16戦闘機との模擬空中戦では完敗している。攻撃してきた戦闘機を迎え撃つには適さないということだ。唯一のセールスポイントはステルス性能で、これを生かすためには敵の艦船や基地に近づいて攻撃するしかない。日本が購入する目的はそれだと思われても仕方がない。

日本政府が導入を決めた地上配備型イージスシステム「イージス・アショア」は韓国へ持ち込まれているTHAAD(終末高高度地域防衛)と同様、攻撃兵器へ容易に変更できる代物。旧ソ連圏を含むヨーロッパ各地にアメリカ軍/NATO軍が配備してきたミサイルと目的は同じだ。前にも書いたように、イージス・アショアはソフトウェアを変えるだけで攻撃用兵器に転換することができる。

イージス・アショアやTHAADを含むミサイルで中国や朝鮮半島の沿岸を攻撃、F-35を侵入させて相手の防衛体制を破壊、そこへオスプレイで戦闘員を送り込んで橋頭堡を築くというシナリオは成り立つだろう。本ブログでは何度も指摘してきたが、アメリカは中国制圧を目論んできた。フランクリン・ルーズベルト、ジョン・F・ケネディ、リチャード・ニクソンといった大統領はそうした意思が薄かったかもしれないが、ルーズベルトはドイツが降伏する前の月に急死、ケネディは暗殺され、ニクソンはスキャンダルで失脚した。

ロナルド・レーガンが大統領に就任した翌年の12月、アメリカは戦術弾道ミサイルのパーシングIIをヨーロッパに配備してソ連を刺激。その直後の1983年1月に中曽根康弘首相はアメリカを訪問、ワシントン・ポスト紙のインタビューで日本を「巨大空母」と表現した。中曽根首相は日本をアメリカの「不沈空母」だと表現したと報道され、これを誤訳だと騒いだ人もいるが、本質的な差はない。

ワシントン・ポスト紙によると、中曽根首相は「日本列島をソ連の爆撃機の侵入を防ぐ巨大な防衛のとりでを備えた不沈空母とすべきだ」と発言、さらに「日本列島にある4つの海峡を全面的かつ完全に支配」し、「ソ連の潜水艦および海軍艦艇に海峡を通過させない」と語ったのである。日本をアメリカの空母に見立て、ソ連を攻撃する拠点にすると宣言したのだ。空母が「不沈」か「巨大」かは本質的な問題ではない。

この挑発的な発言から3カ月後、つまり1983年の4月から5月にかけて、アメリカ海軍は千島列島エトロフ島の沖で大艦隊演習「フリーテックス83」を実施する。この演習には3空母、つまりエンタープライズ、ミッドウェー、コーラル・シーを中心とする機動部隊群が参加、演習では空母を飛び立った艦載機がエトロフ島に仮想攻撃をしかけ、志発島の上空に侵入して対地攻撃訓練を繰り返し、米ソ両軍は一触即発の状態になったのだが、この演習を日本のマスコミは無視している。(田中賀朗著『大韓航空007便事件の真相』三一書房、1997年)

そして同年8月31日から9月1日にかけて、大韓航空007便がソ連の領空を侵犯、アラスカの「緩衝空域」と「飛行禁止空域」を横切り、ソ連軍の重要基地の上を飛行した末に、サハリン沖で撃墜されたと言われている。そこで撃墜されずに飛行を続けた場合、その延長線上にはウラジオストクがある。

さらに、その年の11月にはNATO(北大西洋条約機構)軍が軍事演習「エイブル・アーチャー83」を計画、核攻撃のシミュレーションも行われることになっていた。これをソ連の情報機関KGBは「偽装演習」であり、全面核戦争を仕掛けてくるのではないかと疑って応戦の準備を始めている。

その後、ソ連では牧歌的親米派のミハイル・ゴルバチョフとエドゥアルド・シュワルナゼのコンビがソ連解体の道筋を作り、ロシア大統領だったボリス・エリツィンが1991年12月、勝手にベロベーシの森で秘密会議を開き、国民に諮ることなくソ連からの離脱を決めて連邦を崩壊させた。これがいわゆる「ベロベーシ合意」だ。エリツィンはロシアをアメリカの属国にし、国民の財産を略奪して西側支配層と山分けすることになる。

ソ連消滅でアメリカが唯一の超大国になったと信じたネオコンは1992年2月に国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成する。作業の中心にいたのは国防次官だったポール・ウォルフォウィッツ。そこで、このプランはウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。

そのプラン作成を受け、日本では1994年8月に細川護煕政権の「防衛問題懇談会」が「日本の安全保障と防衛力のあり方(樋口レポート)」を作成するが、自分たちの意図するものと違っていたことからネオコンは怒る。そこで1995年2月にジョセフ・ナイ国防次官補は「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を作成した。中曽根首相は専守防衛を放棄する姿勢を見せていたが、本格的に日本がアメリカの戦争マシーンに組み込まれていくのはナイ・レポート以降だ。

アメリカの戦争マシーンにとって日本と韓国はいずれも手駒であり、この両国が対立している状況は好ましくない。そうした状況の中、スキャンダルで機能不全になっていた韓国の朴槿恵政権はTHAADミサイル・システムを導入させ、従軍慰安婦に関する問題で日本と合意している。この間、朝鮮が行ったミサイル発射や爆破実験はアメリカにとって好都合だった。岸信介の孫、安倍晋三にしてみると、アメリカの侵略戦争に加担すれば祖父たちが東アジアで行った犯罪的な行為を封印できるということになる。勿論、中国やロシアから見れば、安倍政権が行っていることは自分たちに対する戦争の準備だ。






最終更新日  2017.12.30 00:00:08

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