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《櫻井ジャーナル》

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2018.01.13
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シリアの西部、地中海に面した場所にあるフメイミム空軍基地とタルトゥースにある海軍施設を攻撃した無人機(ドローン)は手作りのように見えるが、高度の技術が使用され、専門知識を持つものが製作しているとロシア国防省は指摘している。攻撃の際、目標になったフメイミム空軍基地とタルトゥースの海軍施設の中間地点をアメリカの哨戒機P-8A ポセイドンが飛行していたこともロシアは明らかにした。

攻撃は100キロメートルほど離れた場所から飛び立った13機の無人機(ドローン)によって行われたが、GPSと気圧計を利用、事前にプログラムされた攻撃目標までのコースを自力で飛行、ジャミングされないようになっていたという。

アメリカ、イスラエル、サウジアラニアの三国同盟を中心とする勢力は2011年3月からサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵集団を使ってシリアに対する侵略戦争を開始した。当初、西側の政府や有力メディアは「独裁者による民主化運動の弾圧」というシナリオを使っていたが、すぐに嘘が発覚する。

西側メディアは現地からの報告という形で弾圧を宣伝していたが、その重要な情報源のひとつとされたのがシリア系イギリス人のダニー・デイエムなる人物。シリア政府の弾圧を訴え、外国勢力の介入を求める発言を続けていた。リビアと同じようにNATO軍、あるいはアメリカ軍を介入させてバシャール・アル・アサド政権を倒して欲しいということだが、デイエムのグループが「シリア軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像が2012年3月にインターネット上へ流出、嘘がばれてしまう。

2012年5月にはシリア北部ホムスで住民が虐殺され、西側の政府やメディアは政府軍が実行したと宣伝されたが、現地を調査した東方カトリックのフランス人司教はその話を否定する。虐殺を実行したのは政府軍と戦っているサラフィ主義者や外国人傭兵だと報告、その内容はローマ教皇庁の通信社で伝えられた。

もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」とその司教は書いている。

2012年8月にはアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラの実態は同じだとしている)だとバラク・オバマ政権へ報告している。当時、オバマ大統領は「穏健派」を支援すると主張して物資を供給していたが、そうした穏健派はいないという警告だ。これはホムスを調査した市況と同じ結論である。DIAの報告は、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告していたが、これは2014年以降、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。

2013年になると化学兵器による攻撃が問題になり、西側の有力メディアはシリア政府が使っていると宣伝するのだが、これは正しくないとする情報や分析が次々と出てくる。そうした中、オバマ政権はシリア近くの基地にB52爆撃機の2航空団を派遣し、5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などの艦船を地中海に配備して攻撃の姿勢を見せる。

これに対抗してロシア政府は空母キラーと呼ばれている巡洋艦のモスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したと報道されている。

攻撃が予想されていた9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発の弾道ミサイルが発射されたが、2発とも海中に落ちてしまう。発射されたミサイルをロシアの早期警戒システムがすぐに探知、その事実を公表したこともあり、その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表した。

事前にイスラエルは発射実験を発表していないことから、アメリカ軍やイスラエル軍は実際に攻撃を始めたと見られている。迎撃ミサイルや機銃が使われた事実はないようで、ジャミングで落とされたのではないかという説が有力だ。ちなみに、イランの核開発をめぐり、P5+1(国連安保理常任理事国とドイツ)がイランと暫定合意したのはその2カ月後だ。

そして2017年4月6日、アメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機がシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射され、少なくとも数機は目標へ到達したという。4月4日に政府軍が化学兵器を使用したというのだが、これも根拠のないもので、その主張を否定する調査結果が出ている。そもそもシリア政府軍は化学兵器を2013年に廃棄、現在、そうした兵器を保有しているのはアメリカが支援してきた反シリア政府軍だ。

ジャーナリストのロバート・パリーによると、4月6日の早朝にマイク・ポンペオCIA長官はドナルド・トランプ大統領に対し、シリア政府側は化学兵器を使用していないと説明している。空爆の前、アメリカ側へ通告があり、アメリカ軍もCIAも状況を詳しく知っていた。

6月25日にはジャーナリストのシーモア・ハーシュも同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立て、その内容をアメリカ側へ伝えている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。その情報が何者かによって現地のアル・カイダ系武装集団へ伝えられたと推測する人もいる。

2013年の失敗を反省、この攻撃ではジャミングを想定して59機という数のミサイルを発射、目標に到達したものもあったようだ。この時にロシア側から流れてきたのは短距離防空システムの必要性。その後、S-300、S-400だけでなくパーンツィリ-S1の配備が進んだとも言われている。

今回の攻撃で使われたドローンがジャミングの影響を受けない仕組みになっていたのはロシア側の対応を見たかったのかもしれない。パーンツィリ-S1が有効だったことも確認されたが、ジャミング以外の電子戦兵器が何だったのかは不明だ。

ドローンを使ったのは武装勢力かもしれないが、技術を供与した科学技術の進んだ国が背後にいる可能性は高い。このドローンが離陸した地域にいる武装勢力のスポンサーはアメリカとトルコだが、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領にはロシアのウラジミル・プーチン大統領からトルコ以外の国が関与していると伝えられたという。アメリカ、あるいはアメリカと緊密な関係にある同盟国だということだろう。






最終更新日  2018.01.13 06:06:15

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