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《櫻井ジャーナル》

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2018.03.12
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7年間の3月11日に東京電力の福島第一原発で炉心が溶融するという大事故が引き起こされた。原子力発電所の廃炉が簡単でないことは言うまでもないが、まして壊滅的な事故を引き起こした東電の福島第一原発の処分は困難だ。

1号機から3号機までの炉心が溶融したことは確定的で、溶けた燃料棒を含むデブリがどうなっているかは不明。事故当時、稼働していなかったという4号機の場合、使用済み核燃料プールに保管されていた1533本(使用済み1331本と未使用202本)の燃料棒に含まれる放射性物質は広島に落とされた原爆の約1万4000発分に相当、プールが倒壊したり水が抜けたなら現場へ近づけなくなり、福島第一原発の敷地内にある1万1000本以上の燃料棒から放射性物質が放出される事態もありえた。その場合、セシウム137放出量で比較するとアメリカの放射線防護審議会が見積もったチェルノブイリ事故の85倍以上になり、その影響は地球規模に及ぶ。

福島第一原発から環境中へ放出された放射性物質の総量はチェルノブイリ原発事故の1割程度、あるいは約17%だとする話が流されたが、原発の元技術者であるアーニー・ガンダーセンによると、福島のケースでは圧力容器が破損、燃料棒を溶かすほどの高温になっていたわけで、99%の放射性物質を除去するという計算の前提は成り立たない。圧力抑制室(トーラス)の水は沸騰状態で、ほとんどの放射性物質が外へ放出されたはずだと指摘、少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2~5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している。(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)

別の元エンジニアは圧力容器内の温度が急上昇しているので爆発的な勢いで溶けた固形物が気体と一緒にトーラスへ噴出したはずだと指摘、そうなると水が放射性物質を吸収するという前提は崩れる。そもそも格納容器も損傷しているので放射性物質は外へそのまま出ていっただろうとも考えられる。

この事故では炉心が溶融しただけでなく、爆発があった。3月12日には1号機で爆発があり、14日には3号機も爆発している。15日には2号機で「異音」、また4号機の建屋で大きな爆発音があったとされている。12日は水素爆発だと見られているが、3号機のそれは1号機とは異質の強烈なもので、核反応(核暴走)が起こったという見方もある。

こうした爆発が原因で建屋の外で燃料棒の破片が見つかったと報道されているのだが、2011年7月28日に開かれたNRCの会合で、新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は、​発見された破片が炉心にあった燃料棒のものだと推測​している。






さらに最近、福島第一原発の原子炉内から放出された粒子の中からウラニウムや他の放射性物質をマンチェスター大学や九州大学の科学者を含むチームが発見、燃料棒の破片が周辺に撒き散らされている可能性は高まった。




要するに、福島第一原発の事故はチェルノブイリ原発の事故より遥かに深刻だった。イギリスのタイムズ紙は​福島第一原発を廃炉するまでに必要な時間を200年だと推定​していたが、これは楽観的な見方。数百年はかかるだろうと推測する人は少なくない。日本政府は2051年までに廃炉させるとしているが、これは非常識なおとぎ話、あるいは妄想。その間に新たな大地震、台風、あるいは戦争などによって原発が破壊されてより深刻な事態になることも考えられる。

本ブログでは何度も紹介しているが、衆議院議員だった徳田毅は事故の翌月、2011年4月17日に自身の「オフィシャルブログ」(現在は削除されている)で次のように書いている:「3月12日の1度目の水素爆発の際、2km離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。それは衣服や乗用車に付着した放射性物質により二次被曝するほどの高い数値だ。」

言うまでもなく、徳田毅は医療法人の徳洲会を創設した徳田虎雄の息子で、医療関係者には人脈があり、これは内部情報。その徳田毅は2013年2月に国土交通大臣政務官を辞任、11月には姉など徳洲会グループ幹部6人を東京地検特捜部が公職選挙法違反事件で逮捕、徳洲会東京本部や親族のマンションなどを家宅捜索した。徳田は自民党へ離党届を提出、14年2月に議員を辞職している。

また、​事故当時に双葉町の町長だった井戸川克隆​によると、心臓発作で死んだ多くの人を彼は知っているという。セシウムは筋肉に集まるようだが、心臓は筋肉の塊。福島には急死する人が沢山いて、その中には若い人も含まれているとも主張、東電の従業員も死んでいるとしている。

ロシア科学アカデミー評議員のアレクセイ・V・ヤブロコフたちのグループがまとめた報告書『​チェルノブイリ:大災害の人や環境に対する重大な影響​』(​日本語版​)によると、1986年から2004年の期間に、事故が原因で死亡、あるいは生まれられなかった胎児は98万5000人に達する。癌や先天異常だけでなく、心臓病の急増や免疫力の低下が報告されている。このチェルノブイリ原発事故より福島第一原発の事故は深刻だという事実から目を背けてはならない。

福島第一原発の事故で少なからぬ死者が出ていることは確実だが、政府や電力会社はその事実を認めていない。マスコミの社員はせいぜい裏でこそこそ話すだけ。事故直後、最も逃げ足が速かったのは電力会社をはじめとする原発で仕事をしていた人びと、そして記者たちだと言われている。政府発表やマスコミの報道は信用できないということでもある。

もうひとつ原発事故で明確になったことは、政治家も官僚も企業も責任をとらない仕組みになっていること。それどころか焼け太り。そうした状況を作り出した司法の責任も重い。







最終更新日  2018.03.12 11:40:22

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