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《櫻井ジャーナル》

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2018.04.05
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 西側の政府や有力マスコミはロシアとの関係修復を訴えたドナルド・トランプ米大統領を攻撃してきた。2016年のアメリカ大統領選挙にロシア政府が介入したと根拠を示すことなく主張、大キャンペーンを繰り広げてきた。2017年5月にはこの疑惑を調査するという名目で司法省がロバート・ムラーを特別検察官に任命している。

 このが始まって1年近くがたつが、選挙への介入を示す証拠は出てきていない。逆に司法省やFBIの不正行為が発覚、ロシアゲートは司法省・FBIゲートに変化してきた。そもそも、本当にロシア政府がハッキングしたならアメリカのNSAとイギリスのGCHQを中心とする電子情報機関の連合体UKUSAが証拠を握っているはず。通話や電子メールなど全ての通信はUKUSAが傍受、記録しているからだ。つまり、ロシアゲートが事実なら新たな捜査は必要なかった。

 UKUSAという連合体ができあがったひとつの理由は各国の法規制対策にある。例えば、NSAに代わってGCHQが「外国人」のアメリカ国民を監視するのだ。勿論、逆のこともできる。

 1970年代には議会で電子情報機関による監視が問題になった。通信を傍受する技術がアメリカ国民に対して使われている実態が明らかになり、技術が進歩すればアメリカ人にプライバシーはなくなり、どこにも隠れられなくなると​フランク・チャーチ上院議員は警告​している。

 そうしたこともあり、1977年にテッド・ケネディ上院議員らによって監視を規制するための法律が導入されている。それがFISA(外国情報監視法)だが、UKUSAの仕組みを使えば容易に法律の網をかいくぐることができる。しかも2000年6月頃からNSAは令状なしに国内の盗聴を実施していた。通信傍受を認めるかどうかを決定する機関がFISC(外国情報裁判所)だが、情報機関や捜査機関をチェックできているとは言い難い。ロシアゲート疑惑では相当怪しい情報に基づいて令状が出されている。(この辺の話は本ブログでも書いてきたので、今回は割愛する。)

 ロシアゲート疑惑に代わるロシア攻撃の口実として浮上したのがセルゲイ・スクリパリとその娘のユリアの話。セルゲイ・スクリパリは2010年からイギリスで生活している元GRU(ロシア軍の情報機関)大佐だ。この人物は1990年代にイギリスの情報機関MI6に雇われた二重スパイ。この事実が発覚してい2004年12月にロシアで逮捕され、06年に懲役13年が言い渡されているのだが、2010年7月にスパイ交換で釈放され、ソールズベリーで本名を使って生活を始めている。セルゲイはロシアにとってその程度の存在だということだ。

 このスクリパリ親子が3月4日にソールズベリーで倒れて入院したのだが、イギリス政府はその原因を「ノビチョク(初心者)」だと断定、ウラジミル・プーチン露大統領が主犯だと主張してきた。

 ノビチョクとは1971年から93年にかけてソ連/ロシアで開発されていた神経物質の総称で、ロシアでこの名称が使われることはないと指摘する人もいる。イギリス政府がこの名称を最初から使った理由はロシアとの関係を強調したいからだと見られている。使われた化学物質はA-234という神経物質だとも言われているが、旧ソ連では2017年までにこうした物質や製造設備は処分された。

 ソールズベリーから13キロメートルほどの場所にあるポートン・ダウンにはイギリス政府のDSTL(国防科学技術研究所)があり、今でも化学兵器が製造されている。そこの科学者が有毒物質について調べたのだが、元ウズベキスタン駐在イギリス大使のクレイグ・マリーによると、そこの科学者は使われた神経ガスがロシアで製造されたものだと特定できなかったと語っているとしていた。​この情報が正しいことは、DSTLのチーフ・イグゼクティブのゲイリー・エイケンヘッドもスカイ・ニューズの取材で確認​している。ところがイギリス政府はロシア政府の犯行だと断定したわけだ。なお、マリーのサイトは何者かによるサイバー攻撃を受けている。

 ここで奇妙な情報も流れている。ユリア・スクリパリは目を覚まし、飲食し、簡単な言葉を口にできるというのだ。しかも、3月7日にロシアのソシアル・ネットワーク・サイトに彼女が持っているページへアクセスした記録が残っている。アクセスしたのはパスワードを知っている誰かなのか、本人なのか、あるはハッキングされたのかは不明だが、そうした事実はある。

 また、1994年にドイツで引き起こされた事件を思い出した人もいる。この年の8月にモスクワからミュンヘンへ到着した航空機の中から363グラムのプロトニウムが見つかったのだ。

 1991年12月にソ連が消滅、ロシアはボリス・エリツィン大統領の下で国家機能は麻痺していた。核施設が管理できていないと指摘され、アメリカは「助ける」という名目でロシアの核施設を調査しようと目論んだ。

 しかし、半年ほど後にプロトニウムを機内へ持ち込んだのはドイツの情報機関BNDだということが判明、長官は辞任に追い込まれてしまった。この工作はハデス(冥府の王)作戦と呼ばれている。この事件を議会は調査しようとしたが、ヘルムート・コール政権はそれを阻止、真相は隠されてしまう。今回はMI6が似たことを行ったのではないかというわけだ。







最終更新日  2018.04.05 01:03:11

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