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《櫻井ジャーナル》

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2018.04.10
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 シリアのホムスにあるT4空軍基地を4月9日にミサイル攻撃したのはイスラエル空軍に所属する2機のF15戦闘機だったとロシア国防省は発表している。レバノン上空から8発のミサイルを発射、そのうち5発が撃墜され、3発は基地に到達して14名が死亡しているようだ。そのうち2名はイラン人で、ロシア人は含まれていないという。報復を避けるため、ロシア軍の兵士に犠牲者が出ないように攻撃した可能性がある。事前にイスラエル側はアメリカ政府へ通告していたが、ロシアへは知らせていない。

 現在、シリアではジハード傭兵、つまりアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が壊滅寸前で、ダマスカス攻撃の拠点になってきた東グータの大半も政府軍が制圧した。

 今回の制圧作戦がスタートする前、この東グータからダマスカスのロシア大使館へ向かって砲撃が毎日あった。ロシアのウラジミル・プーチン大統領はその攻撃について、いつまでも許すことはないと語っている。実際、そうした展開になった。この作戦ではアメリカ軍に妨害させないため、ロシア軍が同行していた可能性がある。

 武装解除された戦闘員の脱出が進む中、ドゥーマで政府軍が化学兵器で住民70名以上を殺したという宣伝が始まった。その情報源はサウジアラビアを後ろ盾とし、アル・カイダ系のアル・ヌスラと連携しているジャイシュ・アル・イスラム、そしてアル・カイダ系武装集団と一心同体の白いヘルメットだ。

 この化学兵器話とイスラエル軍機の攻撃を結びつける「解説」もあるが、先週、アンカラで開かれたロシア、イラン、トルコの首脳会談を意識しての示威行動だと見る人もいる。ドナルド・トランプ大統領の発言とは逆に、アメリカの支配層は自国の軍隊をシリアから撤退させる意思はなさそうだ。石油利権を手放すべきでないという露骨な本音を掲載する有力新聞もあった。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟とイギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビがロシア、イラン、トルコと対峙するという構図だ。

 今回、シリアを攻撃したとみられるイスラエル軍はガザで住民虐殺を続けているが、そのパレスチナ人をイスラエルは「人間の盾」としても使っている。ロシア軍が反撃してきた場合、そのパレスチナ人を皆殺しにするとロシア政府を脅している可能性はある。

 今後、アメリカ軍は昨年(2017年)4月6日に実行された攻撃と似たような攻撃を行うかもしれない。昨年のケースでは、地中海にいたアメリカ海軍の2駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機がシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射されている。

 イスラエルはサウジアラビアはアメリカ軍にイランを攻撃させたがっている。アメリカ、イギリス、フランスはシリアへ地上部隊を侵入させた。ロシアの安全保障会議によると、アメリカ軍は基地を20カ所に建設済みで、油田地帯を制圧するだけでなくバシャール・アル・アサド政権を倒させたいと願っている勢力も存在する。

 もし昨年4月の攻撃を大幅に上回る攻撃をアメリカがシリアで実行、バシャール・アル・アサド政権を倒そうとしたなら、ロシア軍は反撃する。ウラジミル・プーチン露大統領は今年3月1日にロシア議会で行われた演説で、​ロシアやその友好国が存亡の機を招くような攻撃を受けた場合、反撃すると警告​している。もし地中海などに展開している艦船からミサイル攻撃を実施した場合、そうした艦船は攻撃される。シリアに建設されたアメリカ軍の基地も破壊されると考えるべきだろう。ロシア軍が反撃に出るか出ないかの境界線は微妙で、その位置をアメリカ側が読み間違えれば全面戦争になる。







最終更新日  2018.04.10 04:43:57

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