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《櫻井ジャーナル》

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2018.06.01
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 公文書の改竄や国有地の不適切な価格での売却は起訴に当たらないと大阪地検特捜部は決めたそうだ。公的な情報を公開せず、国民の富を略奪する新自由主義に浸食された日本では当然の結論だという声があがっている。

 庶民から高等教育を受ける権利を奪い、公的な年金や健康保険も廃止の方向へ動いている。そうした政策を具現化したのがISDS条項を軸とするTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)にほかならない。つまり、この協定を西側の支配層は放棄しないだろう。

 新自由主義で破壊された国は少なくないが、その典型例がボリス・エリツィン時代のロシア。本ブログではすでに書いたことだが、ソ連時代のどこかの時点でKGBの中枢は西側支配層と手を組み、ソ連を解体してエリツィン体制を樹立させた。1970年代からKGBの実質的なトップで、「KGBの頭脳」とも呼ばれたフィリップ・ボブコフも西側と組んだKGBグループに含まれていた。組んだ目的は、言うまでもなく、私利私欲。日本の場合、そうした浸食の歴史は少なくとも明治維新から始まる。ロシアより事態は深刻。

 今回、大阪地検は屁理屈をこねて不起訴を決めたが、鳩山由紀夫首相や小沢一郎を失脚させるため、屁理屈をこねて小沢を起訴する方向へ引っ張った可能性が高い。さすがに検察自体が起訴すると自分たちに傷がつくような話だったので検察審査会を使ったと見る人はすくなくない。審査会に疑惑の目が向けられていた。

 その後、審理が進む中で虚偽の調書や捜査報告書が作成されていたことが判明する。通常は作成しないらしい捜査報告書をわざわざ作ったこと自体不自然なのだが、その報告書も事実に反する内容。検察審査会を騙して小沢議員を起訴、つまり裁判で縛り付けるために検察官が仕組んだと思われても仕方がない。検察官の個人的な判断だったのか、あるいは組織の意向が反映されているのかは不明。そこまでメスは入れられなかった。

 財務省の問題も検察が安倍晋三政権の意向を忖度したわけではないだろう。政権にそれだけの力がないことは鳩山政権で何が起こったかを考えればわかる。

 かつて、日本には田中角栄という絶大な力を持つ政治家がいた。その田中に関するスキャンダル攻勢が1974年から激しくなる。その幕開けは「文藝春秋」誌の同年11月号に掲載された立花隆の「田中角栄研究」と児玉隆也の「淋しき越山会の女王」。その2年後、アメリカ上院の多国籍企業小委員会で明るみ出たロッキード社による国際的な買収事件で田中の名前が浮上し、その年の7月には受託収賄などの疑いで逮捕された。事件が発覚する切っ掛けは小委員会へ送られてきた資料だった。委員会が仕掛けたのではなく、資料を送った人物、あるいは組織が仕掛けたのだ。

 田中が逮捕される何カ月か前、アメリカで発行されていた高額のニュースレターに田中の逮捕が決まったとする記事が載ったと言われている。それを某財界人から知らされた人物が目白の田中邸を訪れて取材したところ、田中は検察も警察も押されているから大丈夫だと楽観していたという。が、実際は逮捕された。

 ロッキードによる賄賂工作の暴露はジョン・マックロイの調査から始まっている。アンゴラで革命が起こった後、アメリカ支配層は「制裁」に出るのだが、それを無視する形でガルフ石油はビジネスを継続しようとし、それに怒った支配層の意向でマックロイは動いたと言われている。その延長線上にロッキード事件もあるというのだ。このマックロイはウォール街の大物で、第2次世界大戦後、世界銀行の総裁を経てドイツの高等弁務官を務め、高等弁務官時代にはナチスの大物を守ったことでも知られている。

 ただ、起訴だけでは田中を完全に潰すことができず、中曽根康弘が首相になったときにマスコミは「田中曽根」と揶揄していた。こう呼ばれた最大の理由は中曽根政権に官房長官として田中の懐刀と言われた後藤田正晴が入ったからだが、これはスキャンダルで後藤田を失脚させることに失敗したからだった可能性が高い。その年、警察を揺るがすスキャンダルが発覚していた。政界の事情に詳しかった某氏によると、中曽根政権の実態は「岸影」。そこに田中の懐刀が監視役として入ったのだという。

 いずれにしろ、検察に何か「社会正義」的なことを期待するのは間違っている。







最終更新日  2018.06.01 14:59:30

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