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《櫻井ジャーナル》

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2018.06.05
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 朝鮮半島情勢は韓国政府の思惑通り、軍事的な緊張を緩和させる方向へ動いているようだ。アメリカ政府内にはこうした流れを断ち切ろうとする動きもあるが、韓国の背後にロシアと中国が控えていることもあり、ドナルド・トランプ大統領は朝鮮の金正恩労働党委員長と会談する方針を維持している。

 ​ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は5月31日に朝鮮を訪問、金正恩委員長にロシアを訪れるよう求めた​と伝えられている。9月11日から13日にかけてウラジオストクで開催されるEEF(東方経済フォーラム)に招待、そこでウラジミル・プーチン大統領と会談してはどうかということのようだ。

 このフォーラムは毎年開かれていて、昨年は9月6日から7日にかけて開かれた。このフォーラムには韓国の文在寅大統領も出席、6日にはウラジミル・プーチン露大統領と会談している。韓国の康京和外相7月上旬、ロシアとの戦略的な関係を深めたいと発言していた。両国は関係を強めているのだ。東アジアの経済的な交流を強め、ビジネス上の利益だけでなく、軍事的な緊張を緩和させようとう思惑もあるだろう。フォーラムには朝鮮の代表団も参加していた。

 天然ガスや石油のパイプラインやシベリア鉄道を中国や朝鮮半島へ延ばし、そのまま半島を南下させたいとロシアは以前から計画しているが、そのためには朝鮮政府を説得する必要がある。そこで、​2011年夏には110億ドル近くあったソ連時代の負債の90%を棒引きにし、鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると金正日に提案​している。2011年12月に金正日が急死するが、この計画は消えていないようで、翌年の4月にはロシア議会がこれを承認している。


 韓国、ロシア、中国は朝鮮半島の軍事的な緊張を緩和しようとしてきたが、それを壊してきたのが朝鮮。核兵器の爆発実験や弾道ミサイル(ロケット)の発射実験を繰り返し、アメリカの軍事的な緊張を高める口実を提供してきたのだ。朝鮮のおかげで日米の好戦派は日本をアメリカの戦争マシーンへスムーズに組み込むことができた。

 その朝鮮が方針を変更した理由は不明だが、ひとつの可能性は昨年4月のアメリカ主導軍によるシリアの軍事施設への攻撃。59機のトマホーク(巡航ミサイル)が発射され、そのうち目標へ到達したんは23発だった。6割強が撃墜されたことになる。

 ロシア側はこのときの反省から短距離用の防空システムであるパーンツィリ-S1を配備した。そして今年4月にもアメリカ主導軍はシリアをミサイルで攻撃した。トランプ大統領は自信満々だったが、約7割が撃墜されたとロシア国防省は発表している。

 その内訳はパーンツィリ-S1が25機発射して23機命中、ブク・システムは29機のうち24機命中、オサ・システムは11機のうち5機命中、S-125は13機のうち5機命中、クバドラートは21機のうち11機命中、S-200は8機のうち0機命中など。このほかECM(電子対抗手段)が使われた可能性がある。アメリカ軍にミサイル攻撃されても対抗できると朝鮮が考えたとしても不思議ではない。ロシアにはS300やS400という長距離用の防空システムもある。

 しかし、アメリカとしては東アジアの軍事的な緊張を緩和させるわけにはいかない。南シナ海や東シナ海で軍事的な緊張をアメリカが高めているのはそのためだ。

 アメリカの支配システムを支えてきたドル体制が崩れ始めていることを考えると、アメリカに時間はない。ドル体制を支える重要な柱のひとつであるサウジアラビアが不安定化していることもアメリカにとって懸念材料だ。







最終更新日  2018.06.05 03:16:42



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