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《櫻井ジャーナル》

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2018.07.17
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 トランプとプーチンの会談が迫る中、イギリスでは新たなノビチョク騒動が引き起こされ、アメリカではロバート・マラー特別検察官が民主党の関連施設などをハッキングした容疑で12名を起訴している。いずれもロシア政府に対する攻撃に使われている。

 ノビチョクとは「初心者」という意味で、1971年から93年にかけてソ連/ロシアで開発されていた神経物質の総称で、ロシアでこの名称が使われることはないと指摘する人もいる。使われた化学物質はA-234ともいう。旧ソ連では2017年までにこうした物質や製造設備は処分された。

 この神経物質の毒性はVXガスの10倍だと言われている。VXガスの致死量は体重70キログラムの男性で10ミリグラムだとされているので、ノビチョクは1ミリグラムになる。

 その一方、かつてソ連に含まれ、1991年に独立したウズベキスタンはノビチョクの関連施設を解体する際、アメリカの協力を受けているが、その際にアメリカはノビチョクに関して詳しい情報を入手したと言われている。

 また、ノビチョクに関する情報をドイツの情報機関は1991年から持っていたとドイツでは5月17日に報道されている。その情報はスウェーデン、フランス、イギリス、アメリカなどNATO加盟国にも伝えられていたという。チェコの大統領も自国が同じ化学兵器を製造していたと語っている。ノビチョクを作れるのはロシアの機関だけだとイギリスのテレサ・メイ政権は主張するが、全く説得力はない。

 イギリスのエイムズベリーに住むチャーリー・ローリーとドーン・スタージェスのカップルが6月30日に倒れ、スタージェスは病院で死亡したと報道されている。メイ首相によると、ノビチョクが入った香水の瓶が見つかったという。ふたりの友人であるサム・ホブソンによると、​ローリーが麻薬常習者だったことから警察は当初、麻薬が原因だと考えた​という。

 ノビチョクは今年3月にも話題になった。元GRU(ロシア軍の情報機関)大佐、セルゲイ・スクリパリとその娘のユリアがイギリスのソールズベリーで倒れているところを発見されたのだが、その原因がノビチョクだとイギリス政府は主張しているのだ。後にふたりは回復して退院したとされている。ユリアは4月9日に退院した後の映像が流されたが、信じられないほど健康に見える。

 セルゲイは1990年代にイギリスの情報機関MI6に雇われた二重スパイ。この事実が発覚してい2004年12月にロシアで逮捕され、06年に懲役13年が言い渡されているのだが、2010年7月にスパイ交換で釈放された。それ以来、ソールズベリーで本名を使って生活していた。

 スクリパリ親子のケースで、化学兵器について研究しているイギリスの機関、​DSTL(国防科学技術研究所)のチーフ・イグゼクティブであるゲイリー・エイケンヘッドは使われた神経ガスがロシアで製造されたものだと特定できなかったスカイ・ニューズの取材で語っている​。元ウズベキスタン駐在イギリス大使のクレイグ・マリーも同じ話をDSTLの情報源から聞いたという。

 ノビチョクはサリンやVXガスよりはるかに毒性が高いとされる。それにもかかわらずふたりが即死しなかった理由とされているのが雨。この化学物質は水に弱く、ドアノブのつけられた物質の毒性が急速に低下したということになっている。メディアに登場した学者はノビチョクがいかに水に弱いかを説明、空気中の水蒸気でも分解されてしまうとしていた。

 その不安定なノビチョクが残っていたことを説明するため、香水の瓶をイギリス政府は持ち出した。筆者の情報源だったCIAの元エージェントによると、1970年代にCIAはサリンを香水の瓶に仕込んで使っていたという。香水の瓶に入ったノビチョクがスクリパリ親子に対する工作と関係があるということになると、ドアノブに付着させた方法が問題になる。単純に噴霧した場合、周辺に被害が及ぶ可能性が高いからだ。

 いずれにしろ、イギリスの政府や捜査当局の主張は証拠が皆無。つまり「おとぎ話」にすぎない。ちなみに、おとぎ話の舞台になったソールズベリーとエイムズベリーの中間の地点にDSTLはある。

 ​マラー特別検察官がロシア人12名を民主党の関連施設などをハッキングしたとして起訴​したのは米ロ首脳会談の数日前。ここでも証拠は示されていない。つまり「おとぎ話」だ。






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最終更新日  2018.07.17 19:33:50



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