2018/08/28(火)06:00
見え見えの嘘を口実にして侵略を続ける米英仏政府(その1)
アメリカはアル・カイダ系ジハード傭兵のタハリール・アル・シャーム(アル・ヌスラ)を使ってシリア西部のイドリブを占領してきた。そのイドリブをシリア政府軍とロシア軍が奪還しようとしている。現在の状況で戦闘が始まれば、短時間でジハード傭兵が敗北することは明白。それを阻止するため、アメリカ、イギリス、フランスは直接的な軍事介入を行うと恫喝、その軍事介入を正当化するために化学兵器の使用を口実にすると、事実上、宣言している。
この地域にはトルコ系の武装集団も存在しているのだが、トルコ政府はアメリカ政府との対立が激化、ロシア側へ軸を移動させている。それでもアメリカとの関係を断絶したわけではなく、NATOからも離脱していない。イドリブで戦闘が始まると、トルコはアメリカとの関係を完全に断ち切るのか、ロシア側へ着くのか、決断を迫られる。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、シリア政府軍が化学兵器を使ったとする話はいずれも嘘だと言うことが明らかにされている。そもそも、政府軍が化学兵器を使う状況にはない。 嘘であるために証拠を提示することができず、ただ西側の有力メディアを使って宣伝するだけである。化学兵器にかぎらず、ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリアへの軍事侵攻、ウクライナでのクーデター、いずれも偽情報がそうした有力メディアによって流されていた。イラクの大量破壊兵器話はアメリカ政府やイギリス政府の責任者たちも嘘を認めている。これだけ嘘をつき続けている勢力の宣伝を信じるということ自体、犯罪的だ。 第2次世界大戦で日本が降伏してから1年近くを経た1946年8月、映画監督の伊丹万作は映画春秋でこんなことを書いている。 戦争が本格化すると「日本人全体が夢中になって互に騙したり騙されたりしていた」。 「『騙されていた』と言う一語の持つ便利な効果に搦れて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見る時、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。」 「『騙されていた』と言って平気でいられる国民なら、恐らく今後も何度でも騙されるだろう。いや、現在でも既に別の嘘によって騙され始めているに違いないのである。」(伊丹万作『戦争責任者の問題』映画春秋、1946年8月) 日本を含む西側の有力メディアの愚劣さは大戦中の新聞と大差はなく、今も「騙されていた」と言って平気でいられる人が少なくない。(続く)