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《櫻井ジャーナル》

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2018.09.05
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 シリア政府軍とロシア軍がイドリブ奪還作戦を始めるのは時間の問題だろう。そのイドリブを占領しているのはアメリカをはじめとする外部勢力が送り込んだジハード(聖戦)傭兵。シリアでの戦いを内戦と表現するのは間違い。侵略戦争にほかならない。

 そのジハード傭兵はサウジアラビアのほかにもスポンサーがいて、いくつかのグループに分かれている。現在、ジハード傭兵が支配しているのはイドリブだけだが、ここにいるのはアメリカ系とトルコ系。このうちトルコはアメリカと対立しているので、シリア政府軍とロシア軍がイドリブ奪還作戦を始めた場合、どう動くかが注目されている。

 シリア政府がイドリブの奪還に成功した場合、アメリカの傭兵はユーフラテス川の北側へ逃がし、クルドと合体させた戦闘員だけになる。アメリカ軍は現在、占領地で軍備を増強してシリアへ居座る姿勢を示しているが、イドリブ後はシリア政府軍、イラン軍、そしてロシア軍と対峙しなければならない。トルコとアメリカとの関係がさらに悪化したなら、物資の補給もままならなくなるだろう。


 アメリカはイドリブでリビアと同じような直接的軍事介入を目論んでいるようにも見える。化学兵器の使用、つまり偽旗作戦を実行し、それを口実にして攻撃しようということ。ジハード傭兵の占領地ではここにきて44名の子ども誘拐されたと伝えられているが、この子どもたちが偽旗作戦で使われる可能性もある。

 アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、トルコ、カタールといった国々がジハード傭兵を使い、シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒す目的で侵略戦争を始めたのは2011年3月のこと。戦争が長引いたことでトルコやカタールは離脱、この両国、特にトルコは現在、アメリカと対立関係にある。結局、この侵略戦争は成功しなかった。

 ところで、傭兵の中心はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団。こうした集団が傭兵に使われはじめたのは1970年代の終盤。ジミー・カーター政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで始めた秘密工作で使われたのだ。ソ連軍をアフガニスタンへ誘い込み、疲弊させるという計画で、その計画をカーター大統領は1979年7月に追認している。ソ連軍がアフガニスタンへ入ってきたのはその年の12月だ。

 この秘密工作で戦闘員を送り込み、その費用を供給したのはサウジアラビア。この国で国教とされているのがイスラム系カルトのワッハーフ派。このカルトを権力基盤に据えた体制を作り上げたのはイギリスである。戦闘員はCIAが訓練、武器も提供した。

 ロビン・クック元英外相によると、​CIAが訓練した「ムジャヒディン(聖戦士)」のコンピュータ・ファイルがアル・カイダ​。アラビア語でアル・カイダはベースを意味するが、「データベース」の訳語としても使われる。つまり、アル・カイダは戦闘員のデータベースだ。ちなみにこの指摘をした翌月、クックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われ、59歳で死亡した。

 現在、アメリカは軍事的な圧力を強めているが、もしアメリカ軍が直接攻撃を始めたとしても、ロシア軍は反撃すると推測する人が少なくない。​ドナルド・トランプ大統領は、シリア政府軍やロシア軍がイドリブを攻撃したなら数十万人が死亡する脅している​が、ロシア政府にそうした脅しは通用しない。(つづく)







最終更新日  2018.09.05 06:57:45



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