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《櫻井ジャーナル》

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2018.09.14
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 シリア政府軍とロシア軍はイドリブを支配してきたジハード傭兵に対する空爆を続けてきたが、北部ハマと南部イドリブにあったタハリール・アル・シャーム(アル・ヌスラ系武装グループ)の司令部を破壊したと伝えられている。

 現在、イドリブには1万人から6万人のジハード傭兵がいると言われている。空爆が始まる直前、チェチェンやウズベキスタンから来ていた戦闘員はイドリブを脱出したと伝えられているが、まだ相当数が残っているようだ。イドリブのジハード傭兵にはアメリカ系とトルコ系が存在すると言われ、トルコ政府は難しい対応を迫られている。

 ロイターによると、​トルコ系戦闘集団のFSA(自由シリア軍)の幹部はトルコ政府からの武器供給が増えていると語っている​。ジハード傭兵は住民に対するミサイル攻撃を強めているが、その背景にはトルコ政府からの支援があるということのようだ。


 アメリカが2011年3月にシリア侵略を始めた当時、トルコはイスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、カタールと同じようにアメリカと手を組んでいた。シリア国内にトルコ系のジハード傭兵が存在している理由はそこにある。

 トルコが参加した理由として、オスマン帝国の復活やカタールからサウジアラビア経由でシリア、そしてトルコへパイプラインを建設する計画に乗ったと言われているが、戦闘が長引くににつれてトルコ経済は窮地に陥る。この侵略戦争によってトルコは経済的に関係の深かったシリアやロシアと敵対することになり、自らの首を絞めることになったのである。

 そこで方針を転換したのが2016年。その前年の9月30日にロシア軍がシリア政府の要請を受けて軍事介入、トルコ軍のF16が11月24日にロシア軍のSu24を待ち伏せ攻撃で撃墜したが、その撃墜を2016年6月下旬にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が謝罪、7月13日にはトルコ首相がシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆した。

 その2日後、7月15日にトルコで武装蜂起があった。ロシアへ接近するエルドアン政権をアメリカのバラク・オバマ政権が倒そうとしたのだが、この蜂起は短時間で鎮圧された。事前にロシアからエルドアン政権へ情報が伝えられていたとも言われている。

 これ以降、トルコ政府とアメリカ政府との関係は悪化、今年(2018年)9月上旬にはエルドアン大統領はイランのハッサン・ロウハニ大統領やロシアのウラジミル・プーチン大統領とテヘランで会談、共同声明の中で3カ国はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)、アル・ヌスラ(タハリール・アル・シャーム)、そうした勢力とつながっている個人、グループ、企てなど全てを徹底的に排除するために協力し続けることを再確認したとしている。

 2011年から15年にロシア軍が介入するまでシリアで活動するジハード傭兵への主な兵站線はトルコから伸びていた。その出入りをトルコで管理していたのが情報機関のMIT。そのトルコとイドリブは接している。

 トルコ系の傭兵はトルコ国内にネットワークがあり、イドリブで本格的な戦闘が始まると傭兵がトルコへ流れ込む可能性が高い。その傭兵はトルコ政府に対して武器の供給を続けるように要求、裏切った場合はトルコで戦闘を始めると脅しているが、これは現実になる可能性がある。当然、そうしたやりとりの背後にはアメリカ政府が存在しているだろう。アメリカとしては、ロシアやイランからトルコを離反させたいはずだ。






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最終更新日  2018.09.14 13:09:52



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