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《櫻井ジャーナル》

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2018.10.05
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 オランダ政府やイギリス政府はサイバー攻撃を行ったとしてロシア軍の情報機関GRUを批判、アメリカ、カナダ、NATOもその合唱に加わっている。例によって証拠は示されず、「我々を信じろ」という態度だ。

 名前が挙がっているサイバー攻撃の対象のひとつはOPCW(化学兵器禁止機関)。シリアのドゥーマで今年(2018年)4月7日に化学兵器が使われたとアメリカ、イギリス、フランスをはじめとする西側の政府や有力メディアが主張した際、現地を調査して化学兵器による攻撃はなかったとしていた。

 この化学兵器話の発信源はアル・カイダ系武装集団のジャイシュ・アル・イスラムというアル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にあるSCD(シリア市民防衛/通称白いヘルメット)。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、アル・カイダとは​ロビン・クック元英外相​が指摘していたように、CIAが訓練した「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルにすぎない。アラビア語で「アル・カイダ」は「ベース」を意味、「データベース」の訳語としても使われる。なお、クックはこの指摘をした翌月、保養先のスコットランドで心臓発作に襲われ、59歳で死亡した。

 ジャイシュ・アル・イスラムやSCDの主張を調べるためにOPCWが現地入りする直前の4月14日、アメリカ、イギリス、フランスの3カ国はシリアをミサイル攻撃した。OPCWをコントロール仕切れていないので調査の前に攻撃しようとしたのだろう。

 米英仏が攻撃した後、OPCWのチームはすぐドゥーマへ入ろうとしたのだが、国連から治安状況が良くないと言われ、予定が遅れた。実際はそうした状況でなく、その後、調査は行われた。

 ロシア国防省の説明によると、この攻撃で3カ国は103機の巡航ミサイルを発射、そのうち71機をシリア軍が撃墜したという。アメリカ国防総省の発表によると、攻撃のターゲットはバルザー化学兵器研究開発センター(76機)、ヒム・シンシャー化学兵器貯蔵施設(22機)、ヒム・シンシャー化学兵器(7機)。すべてが命中したとしているが、攻撃目標と使用されたミサイルの数が不自然で、現地の様子とも符合しないため、これは正しくないと見られている。

 米英仏が攻撃した後、ジャイシュ・アル・イスラムの幹部、モハマド・アルーシュは失望を表明している。シリア軍の航空兵力を壊滅させ、地上の戦闘部隊がダマスカスを攻略して逆転勝利を狙っていたという見方があるのだが、そうならなかったからだ。

 ドゥーマの場合、西側のメディアも珍しく現地を取材している。そのひとりがイギリスで発行されている​インディペンデント紙のロバート・フィスク特派員​。攻撃があったとされる地域へ入って治療に当たった医師らに取材、患者は毒ガスではなく粉塵による呼吸困難が原因で担ぎ込まれたという説明を受けている。毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないという。​アメリカのケーブル・テレビ局OAN​の記者も同じ内容の報告をしている。​ロシア系のRT​は西側の有力メディアが化学兵器の被害者だとして報道した子どもとその父親を取材、やはり化学兵器が使用されたという話を否定した。

 今回、GRUを批判した国のうちアメリカとイギリスは偽情報を利用してシリアにミサイルを撃ち込み、挙げ句の果てにミサイルの大半を撃ち落とされた当事国。カナダは米英を中心とするアングロ・サクソン系国のひとつであり、オランダは米英の属国的な存在である。

 アメリカとイギリスはサイバー攻撃に積極的な国として知られている。そのために設立されたのがアメリカのNSAとイギリスのGCHQ。両機関はUKUSA(ユクザ)を編成した。後にカナダ、オーストラリア、ニュージーランドという英語圏の国がUKUSAへ参加しているが、この3カ国は「第2当事国」と呼ばれ、英米両国とは立場が違う。この3カ国よりイスラエルの8200部隊の方がNSAとGCHQは緊密な関係にある。

 NSAにしろ、GCHQにしろ、設立から30年程度は存在自体が秘密にされていた。1972年にランパート誌がNSAの元分析官ペリー・フェルウォック(記事の中で本名は伏せられていた)の内部告発を記事にし、GCHQについてはジャーナリストのダンカン・キャンベルとマーク・ホゼンボールが1976年にタイム・アウト誌で明らかにした。その記事が原因で、アメリカ人だったホゼンボールは国外追放になり、キャンベルは治安機関のMI5から監視されるようになる。

 1975年にアメリカの上院で「情報活動に関する政府工作を調査する特別委員会」が、下院では「情報特別委員会」が設置され、情報機関による秘密工作にメスが入れられている。委員長は上院がフランク・チャーチ、下院がルシアン・ネッツィ(後にオーティス・パイクへ変更)だ。

 UKUSAや8200部隊は通信傍受、ハッキング、コンピュータ・ウィルスを使った攻撃、トラップ・ドアを組み込んだシステムを利用した情報の収集、世界に住む大半の人びとを監視、個々人の行動や思想の分析、「潜在的テロリスト」の割り出しなどを行っていると言われている。

 チャーチ上院議員は1975年8月にNBCのミート・ザ・プレスという番組に出演、そこでアメリカ政府の通信傍受能力はアメリカ国民に向けられる可能性があり、そうなると人々の隠れる場所は存在しないと警鐘を鳴らしていた。民主主義が危機的な状況にあることを警告したチャーチ議員は1980年に行われた次の選挙で落選、1984年4月に59歳で死亡している。

 1970年代の半ばの時点で米英の支配層が「ビッグ・ブラザー」を作り始めていることが指摘され、その秘密機関はサイバー攻撃の主体でもある。このビッグ・ブラザーがインターネットを支配している巨大企業をコントロールしていることも知られているが、こうした巨大企業はすでに言論封殺に乗り出していることを忘れてはならない。







最終更新日  2018.10.05 08:24:09

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