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《櫻井ジャーナル》

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2018.12.05
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 オバマ政権は2015年に閣僚を戦争体制へシフトする。フリンは2014年に解任されているが、2015年2月には国防長官がチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ、同年9月には統合参謀本部議長がマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代になっている。ジハード傭兵を危険だと考える人物からシリアの体制転覆に積極的な好戦派へ替えられたのだ。ロシア軍がシリア政府の要請で介入、ジハード傭兵を攻撃して占領地域を急速に縮小させはじめるのは2015年9月30日、デンプシー解任の5日後だ。

 こうした流れを理解すれば、アメリカの政界や有力メディアがフリンの国家安全保障補佐官就任を嫌った理由が理解できるだろう。彼らはカルトを背景とするジハード傭兵やネオ・ナチの戦闘集団を容認、クーデターや侵略戦争による民主的な合法政権の破壊を支持、自分たちの悪事を隠すために言論統制を強化し、挙げ句の果てに「リベラル」を自称したりする。

 ロシア軍の介入によってジハード傭兵とアメリカ軍/NATO軍をリンクさせた侵略というシナリオは狂った。そこでアメリカはクルドを抱き込むが、それはアメリカとトルコとの対立でアメリカ支配層の思惑通りには進んでいない。

 今年(2018年)9月17日にはシリア沖でロシア軍の電子情報支援機IL20が撃墜され、その責任はシリア攻撃を繰り返してきたイスラエルにあるとしてロシア政府は防空システムのS-300 PMU-2をシリア政府軍へ引き渡した。

 その結果、それまでイスラエル軍は頻繁にシリアを攻撃していたが、それ以降、攻撃の話は聞かれなくなる。そうした中、イスラエルとアメリカは軍事使節団をウクライナに派遣、S-300への対抗策を訓練していると言われている。

 シリア西部、トルコとの国境地帯であるイドリブはまだジハード傭兵が支配している。アメリカは傭兵に化学兵器を使わせ、それをシリア政府軍になすりつけて軍事介入の口実にしようと目論んだが、トルコ政府は自分たちの手先もいることからイドリブ攻撃を延期するようにシリアやロシアの政府と交渉、認められた。アメリカの軍や情報機関はジハード傭兵の幹部をヘリコプターで救出しているようだが、それでもイドリブにはまだ1万5000名ほどの戦闘員が残っていると伝えられている。

 アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランスはまだシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒し、傀儡体制を樹立しようとしている。アメリカのドナルド・トランプ大統領は今年春、アメリカ軍を撤退させると口にしていたが、アメリカの好戦派や他国、特にイスラエルやサウジアラビアの意向で戦争準備を進めている。

 イスラエルとサウジアラビアでは国内の権力抗争が激しくなっているが、その背後にはアメリカの支配層が存在、やはり内部対立が続いている。こうした対立が核戦争の危機と結びついているわけで、かなり危険な状態だと言える。(了)






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最終更新日  2018.12.05 00:00:25



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