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《櫻井ジャーナル》

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2018.12.06
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 アメリカ軍の空母ジョン・C・ステニスを中心とする艦隊が近くペルシャ湾に到着すると伝えられている。イランの石油輸出を止めようとしたドナルド・トランプ政権の企ては計画通りに進んでいないが、軍事力を使って実現しようとしている可能性は否定できない。それに対し、イラン政府はアメリカがイランの石油輸出を力で止めようとしたなら、ペルシャ湾からの石油輸出を不可能にすると警告している。

 アメリカ軍は現在、シリアの北部、トルコとクルドが武力衝突している北部に軍事拠点を建設、さらにシリアとイラクを結ぶ重要地点を押さえようとしている。

 すでにアメリカ軍はユーフラテスの北側で20カ所以上の場所に軍事基地を建設、南側ではイラクに通じる重要拠点のアル・タンフを制圧しているが、このアル・タンフではアメリカとイギリスの特殊部隊が反シリア政府軍を訓練、2018年9月にはアメリカ軍が軍事演習を実施している。アル・タンフで訓練を受けた戦闘員のうち850名近くがユーフラテス川がシリアとイラクの国境をまたぐあたりへ送り込んまれたともいう。

 何らかの軍事的な作戦をアメリカ軍は実行する計画なのではないかと見られているが、イランでの作戦と連動していると見ることもできる。

 イラン軍とアメリカ軍を比較した場合、アメリカ軍が軍事的に勝っていることは明らかだが、ペルシャ湾に限定してみると、イラン軍が保有している小型潜水艦は有効で、アメリカが保有する大型の艦船が有利だとは言えない。

 ジョージ・H・W・ブッシュ政権が1991年1月のイラクに対する攻撃でサダム・フセイン体制を倒さなかったことをネオコンは怒り、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅するというビジョンを口にしていたとウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官は語っている。

 ただ、その際にソ連軍が出てこなかったことにネオコンは注目、アメリカが一方的に軍事力を行使してもソ連/ロシアは手をこまぬくだけだと考えるようになった。1991年はソ連が消滅した年であり、そうした特殊な状況を一般化してしまったわけである。

 勿論、この考え方は間違っている。イスラエルとアメリカがジョージア軍を使い、2008年8月に実行した南オセチアへの奇襲攻撃におけるロシア軍の反撃や2015年9月から始まったシリアでの軍事介入でも明らかだ。

 しかし、ネオコンがそれで軌道修正したようには見えない。軍事的な威嚇をエスカレートさせれば機能すると信じているようだ。

 アメリカ支配層は「オオカミ少年戦法」を実行しているという説もある。攻撃すると見せかけて引くということを繰り返し、「またか」を思わせて実際に攻撃するという推測だ。

 それが事実かどうかはともかく、アメリカの「脅せば屈する」という戦術はどこかの時点で戦争を引き起こす。相手がロシアや中国の場合、全面核戦争になる可能性は小さくない。ネオコンの行動原理は「勝利か、しからずば人類の死滅か」だ。







最終更新日  2018.12.06 18:00:07

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