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《櫻井ジャーナル》

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2018.12.14
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 アメリカの要請でカナダが12月1日に逮捕した孟晩舟の保釈が認められたという。この女性は中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイ・テクノロジーズのCFO(最高財務責任者)で、同社の創業者である任正非の娘でもある。

 逮捕はアメリカ当局の要請に基づくもので、イランに対する経済「制裁」に違反したからだとされている。この「制裁」はアメリカ政府の独善に基づく正当性を欠た代物であり、逮捕も正当性を欠く。もっとも、アメリカに正当性やルール遵守を求めても無駄だが。

 今回の逮捕はアメリカのドナルド・トランプ大統領が中国の習近平習近平国家主席と貿易問題について話し合っている最中に実行された。トランプ大統領は事前に知らされていなかったようだ。

 それに対し、ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官は逮捕を知っていたという。ボルトンはカジノ経営者のシェルドン・アデルソンの影響下にあるが、この人物はトランプにとって最大のスポンサーでもある。トランプはアデルソンの意向に従っていないのかもしれない。

 アデルソンは2013年10月にイランを核攻撃するべきだと発言したことでも知られている。孟晩舟の逮捕理由がイランに対する「制裁」に違反したからだとされているのは、そうした背景があるのだろう。

 アメリカが計画した「制裁」の中心には石油輸出の阻止があるのだが、中国やインドのような大口の輸入国もイラン産原油の輸入を止めるようなことはしていない。無理なのだ。

 アデルソンと親密な関係にあるイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の父親、ベンシオン・ネタニヤフはニューヨークでウラジミール・ジャボチンスキーの秘書として働いていた。

 言うまでもなく、ジャボチンスキーは1925年に戦闘的シオニスト団体の「修正主義シオニスト世界連合」を結成した人物で、1931年にはテロ組織と言われているイルグンを組織している。そこから飛び出したアブラハム・スターンが1940年に創設した新たなテロ組織がレヒ、いわゆるスターン・ギャングだ。スターン・ギャングが作られた年にジャボチンスキーは心臓発作で死亡している。

 アデルソンの背後にはそうしたネットワークが存在しているはずだが、表面に出ている人物の中ではアデルソンが黒幕的な存在。中国はカナダの元外交官を拘束したというが、もし本気で報復するのなら、中国政府はアデルソンがマカオで経営しているカジノを閉鎖するだろうと言われている。

 カジノはオフショア市場と密接な関係にあり、マネーロンダリングが行われている可能性が高い。マカオのカジノでは汚職の噂があり、中国の当局が摘発する材料はそろっている。

 中国との関係では、パプアニューギニアで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議でマイク・ペンス副大統領が中国の習近平国家主席と激しく衝突、会議の共同宣言は採択されなかった。このペンスはキリスト教系カルト(ファンダメンタリスト)につながり、宗教的にはマイク・ポンペオ国務長官も近い。こうしたカルトは1970年代からシオニストと手を組んでいる。

 ジャボチンスキー系シオニストのボルトンやキリスト教系カルトのペンスやポンペオがトランプ大統領を無視して動き始めたようにみえる。ロシアとの核戦争へ向かおうとしている民主党だけでなく、イランを潰すために中国との戦争へ突き進もうとしているカルトをトランプは相手にしなければならない。






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最終更新日  2018.12.14 01:48:07



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