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《櫻井ジャーナル》

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2018.12.28
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 ソ連消滅後、ロシア大統領のボリス・エリツィンは私有化を推進しようとする。つまり、国民の資産を二束三文でウォール街やシティの住人に売り飛ばそうということだ。その手先になったロシア人も巨万の富を築き、オリガルヒと呼ばれるようになる。

 この私有化に議員は反対、大統領の行為をクーデターだと非難し、自分たちの政府を樹立すると宣言して少なからぬ議員が議会ビル(ホワイトハウス)に立てこもる。それに対してエリツィン大統領は戦車に議会ビルを砲撃させた。それが西側流の「民主主義」だ。議会ビルで殺された人の数は100名以上とも約1500名だとも言われている。

 ロシア国内の略奪グループはエリツィンの娘であるタチアナを中心に据えていた。プーチンが2000年に解雇するまでタチアナは大統領顧問だ。

 タチアナの人脈に属すアナトリー・チュバイスはソ連が消滅する直前からエリツィンの側近として経済政策を策定、その背後にはジョージ・ソロスの友人としても知られているハーバード大学教授のジェフリー・サックスがいた。サックスの下で働いていたエゴール・ガイダルはソロスの知り合いで、エリツィンの側近になる。

 エリツィン時代にチュバイスとガイダルに命令していた人物がラリー・サマーズ。ハーバード大学教授、世界銀行の主任エコノミスト、財務次官、財務副長官を経て1999年7月から2001年1月まで財務長官を務めている。その後ハーバード大学の学長に就任した。サマーズがロシア工作のために雇ったデイビッド・リプトンとジョナサン・ヘイはCIAのエージェントだ。

 ナビウリナ中央銀行総裁はガイダルの人脈だと見られているが、そのほか経済開発大臣や財務大臣もこの人脈が押さえている。ロシアは現在、西側支配層から経済的な攻撃を受けているものの、成長している。その成長にブレーキをかけるかのようにナビウリナは金利を上げてきた。この総裁はIMFの意向に沿う政策を推進している。

 ロシアの経済政策は西側金融資本の影響を強く受けているのだが、今年(2018年)は年金制度の改定が国民の怒りを買い、プーチンの支持率を低下させた。経済部門に巣くうエリツィン時代の人脈を排除できず、オリガルヒは甘い汁を吸い続けているという不満を国民は高めたようだ。

 ところで、似た状況がかつてのアメリカにもあった。フランクリン・ルーズベルトの時代だ。ルーズベルトは1932年の大統領選挙で初当選、JPモルガンをはじめとするウォール街の大物たちは1933年から34年にかけてルーズベルトを中心とするニューディール派をホワイトハウスか追い出すため、クーデターを計画したのだ。

 これはスメドリー・バトラー少将の議会証言で明らかにされているが、クーデター派はファシズム体制の樹立を目指していた。つまり、バトラー少将がカウンター・クーデターの意思を示さなかったなら、アメリカはその時点でファシズム体制になっていた可能性が高いのだ。1980年代に始まったCOGプロジェクトでアメリカはファシズム化が促進されたが、これは一貫したウォール街の政策だということである。

 1930年代のクーデター計画は阻止されたが、そのときに司法省は動かず、ルーズベルト大統領はウォール街にメスを入れられなかった。株式相場が暴落して間もなく、軍事的な緊張が高まっているということもあり、金融界を敵に回して国内を不安定化させることはできなかった。プーチンはルーズベルトと似たような状況にある。

 大戦の終結が見えた段階でルーズベルトはウォール街の粛清を始めようとしたのだが、その矢先、ドイツが降伏する前の月、つまり1945年4月に急死する。それを切っ掛けにしてウォール街がホワイトハウスを奪還した。

 そして現在。プーチンはロシア国内の戦いで勝ち残れるだろうか?(了)







最終更新日  2018.12.28 09:40:13



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