《櫻井ジャーナル》

2019/02/14(木)20:21

日米で情報統制が進む中、米国でタブーに挑戦する複数の議員が登場した

 資金力と情報力は支配システムを支える重要な柱であり、資金と情報の独占は独裁体制を生み出す。安倍晋三政権もインターネット上の情報規制に乗り出しているが、その目的もそこにある。 日本の宗主国、アメリカでは第2次世界大戦の直後にモッキンバードと呼ばれる情報支配プロジェクトが始められた。マスメディアを統制し、支配層にとって好ましい情報を流し、好ましくない情報は隠すということだ。勿論、作り話を広めることもある。 1970年代にエレクトロニクス技術が急速に進歩、監視技術の高度化が進むのだが、その一方で被支配層が既存メディアを頼らずに情報を集め、発信することも可能になった。支配層の情報統制を揺るがしかねない事態だ。そこで情報規制の強化が図られている。 支配層が警戒する情報はタブー視される。アメリカの場合、戦争やイスラエル/シオニストの実態を明らかにすることは許されない。日本で最も厳しく規制されているのはアメリカの闇だ。 当然、アメリカでは議員も通常、タブーを犯すことはないのだが、そのタブーを犯す議員が現れた。TPP、内政干渉、戦争などに反対してきたタルシ・ガッバード下院議員やイスラエルのロビー団体AIPACによるアメリカへの影響力を批判するイルハン・オマール下院議員だ。当然、有力メディアの攻撃対象になっている。 このふたりはベネズエラに対する内政干渉にも反対しているが、この問題でははロ・カンナ下院議員やバーニー・サンダース上院議員も同調している。 2016年の大統領選挙でサンダースは民主党から立候補したが、ヒラリー・クリントンを候補者とすることを内定していた民主党の幹部はサンダース潰しを画策したと言われている。その内幕を明らかにする電子メールを公表したのがウィキリークス。 当然、サンダース支持者は怒る。ヒラリーがドナルド・トランプに負けた大きな要因だが、民主党の幹部や有力メディアはその事実を封印、トランプとロシアの関係が怪しいという怪しい話を流布しはじめる。これがロシアゲートだ。作り話であり、証拠などはない。 民主党の幹部がサンダース潰しを画策しなければならなかったのは、サンダースの人気が急上昇したからだ。ヒラリーが巨大軍需企業ロッキード・マーチンをスポンサーにしていることは有名で、しかも金融機関やシオニストなども後ろ盾にしていることがわかっていた。 彼女を担いでいた好戦派はロシアを再びアメリカ支配層の植民地、あるいは属国にしようと目論んでいたが、彼らの手法は脅して屈服させる。脅しに屈しないロシアを脅そうとすれば、到達地点は核戦争だ。この点はバラク・オバマも同じだった。 こうした支配層の狂気を危険だと考える人がロシアとの関係修復を訴えていたドナルド・トランプを支持したとしても不思議ではない。 支配層の内部では2015年の段階で大統領に内定していたヒラリー・クリントンがトランプに敗れたのは支配層に対する庶民の反発がそれだけ強いことを意味しているが、そうした怒りは新たな議員も生み出した。そのひとりが2016年の選挙で初当選したカンナ下院議員や18年の中間選挙で初当選したオマール下院議員だ。2013年に初当選したガッバード下院議員は2020年の大統領選挙に出馬する意向だという。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る