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《櫻井ジャーナル》

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2019.04.11
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 イスラエルの議会選挙が4月9日にあり、120議席のうちベンヤミン・ネタニヤフが率いる「リクード」とベニー・ガンツをリーダーとする「青と白」がそれぞれ35議席を獲得した。ネタニヤフは2016年から汚職容疑で捜査の対象になり、検察当局は今年(2019)年中に起訴すると発表している。そうした状況下であるにもかかわらず、僅差とはいえ、「リクード」は勝利したわけだ。

 ネヤニヤフと緊密な関係にあるシェルドン・アデルソンはアメリカのラス・ベガスとペンシルベニア、東南アジアのマカオとシンガボールでカジノを経営、日本にもカジノを作らせるように要求していた人物で、2016年のアメリカ大統領選挙ではドナルド・トランプに対する最大の寄付者だった。

 トランプ大統領は2017年12月にエルサレムをイスラエルの首都だと認めると宣言、今年3月にはシリア領のゴラン高原における主権を認める時期だと表明しているが、いずれもネタニヤフを支援することが目的だと考える人もいる。

 ネタニヤフは「修正主義シオニズム」の流れ。彼の父、ベンシオン・ネタニヤフは1940年にアメリカへ渡り、「修正主義シオニズム」の祖であるウラジミル・ジャボチンスキーの秘書になるが、その年にジャボチンスキーは死亡する。アブラハム・スターンがテロ組織のレヒ(スターン・ギャング)を創設したのもこの年だ。

 ジャボチンスキー系の人びとは今でも大イスラエル、つまりユーフラテス川とナイル川で挟まれている地域を支配しようとしている。イスラエルではゴラン高原に続いてヨルダン川西岸を併合しようとする動きがあるが、それは序の口にすぎない。​イスラエルの支配地域をイラク、シリア、イラン、レバノン、エジプトに広げると公言している活動家​もいる。サウジアラビアもターゲットに含まれているはずだ。

 ゴラン高原は1967年の第3次中東戦争から占領しつづけているが、この戦争で一気に大イスラエルを実現するつもりだったのかもしれない。その戦争でリンドン・ジョンソン政権は軍事的にもイスラエルを支援していたと言われている。

 それに対し、「リクード」と競り合った「青と白」の中心メンバーは3名の元参謀総長。つまりベニー・ガンツ(2011年から15年)、ガビ・アシュケナージ(07年から11年)、モシェ・ヤーロン(02年から05年)だ。ネタニヤフを含む強引な政策は危険だと考える人物がイスラエル軍の上層部に少なくないのだろう。似たことはアメリカでも見られた。

 妄想の中に生きている文民の軍事強硬派という点でロスチャイルドとの関係が深いネオコンも大差はない。ネオコンは2016年の大統領選挙で戦争ビジネスや巨大金融資本と同じようにヒラリー・クリントンを担いでいたが、そのグループの中心メンバーであるポール・ウォルフォウィッツは国防次官だった1992年2月に国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成している。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。

 そのドクトリンが作成される直前、1991年12月にソ連が消滅し、ネオコンを含むアメリカ支配層はアメリカが唯一の超大国になったと考え、他国や庶民を無視して行動できる時代になったと思い込んだ。細川護熙政権の国連中心主義に激怒したのはそのためだ。

 その前提が21世紀に入って崩れる。ウラジミル・プーチンをはじめとする勢力がロシアを再独立させたのだ。本来ならウォルフォウィッツ・ドクトリンは見直さなければならないのだが、ネオコンはロシアの再属国化を目論む。大統領選でトランプがロシアとの関係修復を宣言したことを彼らは許せなかった。

 ジャボチンスキー派にしてもネオコンにしても正気とは思えない。そうした正気とは思えない人びとに見切りをつける人が世界的に増え、ロシアや中国の存在感が増している。「右」も「左」もアメリカ信仰を捨てられない日本は危険な状態に陥りつつある。







最終更新日  2019.04.11 14:46:33



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