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《櫻井ジャーナル》

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2019.05.23
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 アメリカ国務省は5月21日、シリア政府軍が化学兵器を使った疑いがあるとする声明を出したと報道されている。これまでもアメリカをはじめとする西側の政府や有力メディアは繰り返しシリア政府軍側が化学兵器を使ったと主張してきたが、いずれも嘘だということが明らかにされてきた。

 2018年4月にもそうした宣伝が展開されている。アメリカをはじめとする西側の政府や有力メディアは政府軍がドゥーマで4月7日に化学兵器を使用したと主張したのだ。その情報源はSCD(シリア市民防衛/通称白いヘルメット)やアル・カイダ系武装集団のジャイシュ・アル・イスラム。

 シリア政府はロシア政府のアドバイスに従い、早い段階で化学兵器を廃棄しているのだが、それでも化学兵器を口実にしている。別のシナリオを思いつかなかったのだろうか?

 この武装集団はアル・カイダ系のアル・ヌスラと連携(タグの違い)、アメリカのCIAの影響下にある。イギリスの特殊部隊SASやフランスの情報機関DGSEのメンバーが指揮しているとも報告されている。SCDは武装勢力と一心同体だ。これらの集団は西側メディアの情報源でもある。つまり西側メディアは「テロリスト」、あるいはその雇い主の広報的な役割を果たしてきた。

 国務省が声明を発表する8日前、​OPCW(化学兵器禁止機関)の内部文書が明るみに出ている​。OPCWで専門家の中心的な存在である​イラン・ヘンダーソン名義の文書​で、化学物質が入っていた筒状の物体は航空機から投下されたのではなく、人の手で地面に置かれていたことを証拠は示していると指摘している。

 つまりSCD、あるいはジャイシュ・アル・イスラムが化学兵器を使ったということだが、この事実をOPCWの上層部は公表された報告書の中で隠していたということ。OPCWの幹部はアメリカ支配層の意向を忖度したのだろうが、その情報隠しが明らかになったことを有力メディアは無視している。有力メディアも同じように忖度しているのだろう。


 OPCWの調査チームが現地入りする直前、アメリカ、イギリス、フランス3カ国の軍隊はこの攻撃を口実にしてシリアを100機以上の巡航ミサイルで攻撃した。

 攻撃側はシリア政府軍の基地を破壊するつもりだったのだろうが、ロシア国防省の説明によると、使われたミサイルのうち71機をシリア政府軍は撃墜したという。その1年前にも似たような攻撃があったが、その時よりも撃墜率は上がっている。

 ミサイル攻撃は皮肉なことにアメリカ/NATO軍の弱さとロシアの防空システムの優秀さを証明することになり、アメリカの支配システムの弱体化を促進することになってしまった。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、アメリカ政府が軍事侵攻を正当化する口実として化学兵器を言い始めたのは2012年8月のこと。シリアに対する直接的な直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だとバラク・オバマ大統領が宣言したのだ。

 2012年12月になると、国務長官だったヒラリー・クリントンがシリアのバシャール・アル・アサド大統領は化学兵器を使う可能性があると語る。

 そして2013年1月29日付けのデイリー・メール紙には、オバマ政権がシリアで化学兵器を使ってその責任をアサド政権に押しつける作戦をオバマ大統領が許可したという記述がイギリスの軍事関連企業ブリタム防衛の社内電子メールの中に書かれているとする記事が載った。(同紙のサイトからこの記事はすぐに削除された)

 その後、シリア政府軍が化学兵器を使ったとする話を西側の政府や有力メディアは何度か主張してきたが、いずれも嘘が明らかにされている。それでもアメリカ政府は同じシナリオを繰り返し、有力メディアはそれを垂れ流している。






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最終更新日  2019.05.23 13:59:33



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