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《櫻井ジャーナル》

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2019.05.24
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 ジュリアン・アッサンジに対する追加起訴があった。アメリカ政府が秘密にしていた情報を違法に入手し、公表したことが「1917年のスパイ活動法」に違反するという主張で、すべてが有罪になると最大懲役175年になる。







 アッサンジが創設者のひとりであるウィキリークスは内部告発を支援する活動を続けてきた。内部告発とは政府というより支配層の暗部を明るみに出す行為。ウィキリークスの場合、イラクやアフガニスタンにおける戦争の実態、2016年の大統領選挙における不正を明るみに出した民主党とヒラリー・クリントンの電子メールなどを公表している。

 公表された情報には映像も含まれている。2010年4月に公開された映像はアメリカ軍の戦闘ヘリコプターから撮影されたもので、そのヘリコプターが非武装の人びとを銃撃しているようすが記録されてしる。犠牲者の中にはロイターの取材チームが含まれていた。

 この映像を含むイラク戦争の実態を明らかにする情報をウィキリークスへ提供したのはブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵。2010年5月に逮捕された。その前にアメリカの当局がアッサンジを起訴していたことが明らかになっている。

 そのアッサンジが2010年8月にスウェーデンで事件の容疑者になる。ベッドの上でのトラブルが原因で逮捕状が出され、その事実をスウェーデン警察がタブロイド紙にリーク、そのタブロイド紙がセンセーショナルに伝えた。

 これが「レイプ事件」の始まりだが、その翌日には主任検事が令状を取り消してしまう。事件性はないと判断したのだが、その決定を検事局長が翻して捜査を再開を決めた。

 しかし、アメリカの当局はすでにアッサンジを秘密裏に起訴している。アメリカ側から命令を受けなくても、その意向を忖度すれば拘束しなければならない。つまり、捜査の再開は政治的な判断だったと見られている。

 そうした中、9月27日にアッサンジはスウェーデンを離れてロンドンへ向かう。スウェーデン当局は11月にアッサンジを国際手配するが、2017年に捜査を打ち切った。冤罪だと言うことを認めたのである。

 イギリスの警察当局はスウェーデン当局の要請を受けてという形でアッサンジを逮捕しようとするのだが、ヨーロッパの場合、裁判所の発行した令状でなければ無効とされている。アッサンジのケースでは検察官が出したもの。つまり無効なのである。それをイギリスの裁判所は有効だと認めた。超法規的な決定だと言えるだろう。

 言うまでもなく、これまでイギリスの警察がアッサンジを逮捕できなかったのはエクアドル大使館で保護されていたからである。エクアドルはアッサンジの亡命を認めていた。その決定を新大統領のレニン・モレノが取り消し、4月11日にアッサンジは大使館内で逮捕されたのである。

 これまでもアメリカの支配システムは内部告発者を厳しく取り締まってきた。自分たちの悪事が露見することを極度に恐れている。悪事が知られても決定的な証拠がでなければ「謀略論だ」と言って逃げることも可能だが、それが出てきたら大変なことになる。証拠の大半は廃棄しているだろうが、完全に行うことは難しい。

 内部告発を公にすることは本来、ジャーナリストの仕事である。そのジャーナリストが1970年代の後半から急速に減ってしまった。有力メディアのプロパガンダ機関化が徹底し、ジャーナリストの居場所がなくなってきたのだ。

 有力メディアは巨大資本に飲み込まれ、支配層に選ばれた記者や編集者は支配システムへ組み込まれていく。BAPはその一例だ。記者や編集者に情報を提供、その条件として守秘義務を負わせるということもあるようだ。必然的に某情報機関の協力者になる。

 飴と鞭で記者や編集者は取り込まれ、有力メディアは支配システムの宣伝部門になってしまった。そうした中、登場してきたのがウィキリークスだ。

 アメリカの当局者はアッサンジをジャーナリストだと認めていないが、それは自分たちの影響下にないからだろう。誰でもそう名乗ればジャーナリストだ。支配層の承認はいらない。アメリカの支配システムは言論の自由を公然と否定するステージに入ったと言える。






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最終更新日  2019.05.24 16:33:20



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