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《櫻井ジャーナル》

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2019.06.08
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 サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムに出席した中国の習近平国家主席がウラジミル・プーチン大統領と6月6日に会談した。ここで生まれたプーチンは習近平を観光に誘っているが、両国の親密さを演出したのかもしれない。

 ロシアと中国が急接近する切っ掛けは2014年にバラク・オバマ政権が長年育成してきたネオ・ナチを使ったクーデターをウクライナで実行してから。

 ネオコンなどはウクライナを支配することでEUとロシアの関係を絶ち、EUのアメリカ依存を強めると同時にロシアからマーケットを奪い、経済的に破綻させようとしたのだろうが、ロシアは中国に目を向ける。

 その中国をアメリカはコントロールできていると思っていたようだが、アメリカの手法を警戒するようになったのか、アメリカ離れを始めた。そして現在、ロシアと中国は戦略的な同盟関係にある。

 その結果、中国の一帯一路がロシアの東アジアにおけるビジネス構想と結びつき、少なからぬ国を引き寄せつつある。この流れに韓国だけでなく朝鮮も乗った。

 すでにロシアは2011年夏に朝鮮側へ110億ドル近くあったソ連時代の負債の90%を棒引きにし、鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると提案している。朝鮮は資源の宝庫。豊かになれる可能性を秘めた国なのだが、それだけでなく鉄道やパイプラインを朝鮮半島に建設ようと考えていた。

 しかし、ロシアの提案を呑んだ金正日がその年の12月に急死してしまい、その後、朝鮮はミサイル発射実験や核兵器の開発をアピールするようになり、ロシアのプランを実行することが難しくなる。

 こうした流れに変化が現れたのは2018年4月27日。韓国の文在寅大統領と金正恩委員長が板門店で会談したのだ。朝鮮指導部の考え方を変えさせた出来事があったのだろう。

 そうした出来事ではないかと思えるのが2017年4月のアメリカ軍によるシリアへのミサイル攻撃。すでに数発程度のミサイルではロシアの防空システムで防がれてしまうことはわかっていたので、アメリカ海軍に所属する2隻の駆逐艦から巡航ミサイル(トマホーク)59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射している。

 この攻撃はドナルド・トランプ大統領がフロリダ州で中国の習近平国家主席とチョコレート・ケーキを食べている最中に実行された。

 アメリカ政府は中国を恫喝するつもりだったのだろうが、発射されたミサイルのうち6割が無力化されてしまう。裏目に出たということだ。ロシア製防空システムの優秀さを示すことにもなった。この攻撃が朝鮮指導部の判断を変えさせた可能性がある。

 その1年後、板門店で南北首脳会談が開かれる13日前の2018年4月14日には100機以上の巡航ミサイルをアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍がシリアに対して発射する。大幅に発射するミサイル数を増やしたわけだが、7割が無力化されてしまう。

 アメリカ軍は対策を練っただろうが、ロシア側も対策を練っていたのだ。最も大きかったのは短距離用防空システムのパーンツィリ-S1の配備だと言われている。少なからぬ国がアメリカは張り子の虎だと思っただろうが、そのひとつが朝鮮だったのではないだろうか。

 その後、朝鮮の金正恩労働党委員長は中国やロシアとの関係を強め、アメリカの恫喝に動じなくなる。今年2月に朝鮮とアメリカの首脳はベトナムのハノイで会談するが、合意に至らなかった。例によってアメリカ側は無条件降伏を求めたが、朝鮮に拒否されたようだ。

 朝鮮側の説明によると、​制裁を部分解除する条件として核施設の廃棄を提示したところアメリカ側は拒否し、核プログラムの完全的な廃棄を要求​、さらに生物化学兵器も含めるように求めたという。トランプ大統領は金正恩が核施設を廃棄する見返りに経済制裁の全面解除を求めたとしているが、これは正しくないようだ。

 米朝の首脳会談が決裂してから2カ月後、​金正恩委員長は列車でウラジオストックを訪れてウラジミル・プーチン大統領と会談​する。その際にプーチン大統領は金委員長によるアメリカとの「関係正常化の努力」と韓国との対話を歓迎したという。トランプ大統領との会談について朝鮮側がロシア側と事前に打ち合わせしていたとしても驚かない。

 そうした流れの中、アメリカは東シナ海や南シナ海で軍事的な示威行動を活発化させる。アメリカから中国敵視の政策を強要されていた台湾は国民の意思で方針を転換しているが、その台湾と中国との海峡へアメリカ海軍は繰り返し軍艦を航行させて中国を挑発しはじめる。

 昨年、アメリカ海軍の艦船が台湾海峡を通過したのは7月、10月、11月。今年に入っても海峡通過は続き、5月には駆逐艦のプレブルが2度にわたって航行。

 こうしたアメリカ側の動きに対し、ロシアと中国は4月29日から5月4日にかけて艦隊演習を実施しているが、6月7日にはロシア軍の駆逐艦ビノグラドフ提督がアメリカ軍のチャンセラーズビルと危うく衝突するという出来事があった。

 ロシア国防省はアメリカの艦船が突然進路を変更してロシア艦船の航行を塞ぐ形になり、ロシア側が急旋回して回避したと主張、アメリカ側に抗議した。アメリカ側はこれを否定している。どちらの主張が正しいかは不明だが、アメリカ側が挑発を続けてきたことは間違いない。

 歴史的にアメリカやイギリスは制海権を握っていることを利用し、船での輸送をコントロールしようとしてきた。自由な航行の拒否だ。この軍事作戦に日本も組み込まれ、沖縄はその拠点になっている。最近、東北などで軍事的な動きが見られるのはロシアが仮想的に加わったからだろう。

 日本は中国やロシアと戦争する準備を進めているのだが、この両国に面した海岸線には原発が乱立している。戦争になれば石油などエネルギー源の備蓄基地はすぐに破壊され、新たな供給も困難だろう。アメリカは日本を奇襲攻撃の出撃基地としか考えていないのではないだろうか。

 それに対し、ユーラシア大陸の内陸国は高速鉄道の建設を進めてきた。ロシアや中国が現在、進めている戦略もそうした意味がある。そうした陸路を断つためにアメリカはサラフ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団をはじめとする傭兵を使う。







最終更新日  2019.06.08 03:28:47



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