14268472 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2019.06.14
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

 安倍晋三首相がイランの最高指導者アリー・ホセイニー・ハメネイと会談した6月13日、2隻のタンカーがオマーン沖で攻撃を受けたという。日本の国華産業が運行する「コクカ・カレイジャス」(パナマ船籍)とノルウェーのフロントラインが所有する「フロント・アルタイル」(マーシャル諸島船籍)で、前者は魚雷、後者は磁気機雷によるもので、タンカーの乗組員44名はイランの救助隊に救助され、ジャースク港に移送されたと伝えられている。

 イランを安倍首相が訪問した主な目的はドナルド・トランプ米大統領のメッセージをイラン側へ渡すことにあったのだろうが、ホルムズ海峡を経由して運ばれる石油への依存度が高い日本の懸念も伝えたようだ。

 1908年にペルシャ(現在のイラン)で石油が発見されるとイギリス支配層はAPOC(アングロ・ペルシャ石油)を創設、利権を手にした。1919年にイギリスはペルシャを保護国にする。

 1921年にはレザー・ハーンがテヘランを占領、その4年後にカージャール朝を廃して王位についた。これがパーレビ朝のはじまりである。この新王朝を介してイギリスはペルシャを支配した。

 1935年に国名がペルシャからイランへ変更、それにともなってAPOCはAIOC(アングロ・イラニアン石油)になる。名称に関係なく、イギリスの支配層がイランの石油で儲けるための会社だ。

 イギリスはパーレビ朝を利用してペルシャの石油を支配したのだが、その仕組みが第2次世界大戦後、1950年代に入ると揺らぐ。イギリスによる収奪に対する不満が高まり、1951年にムハマド・モサデクが首相に選ばれた後、議会ではAIOCの国有化を決める。その直後にアバダーン油田が接収された。

 しかし、イギリスの圧力でモサデクは翌年に辞任するが、庶民の怒りを買うことになって5日後にはモサデクが再び首相になった。その間、AIOCは石油の生産と輸送を止めて抵抗している。

 現在、トランプ政権は似たようなことを実行している。イラン産原油の輸送を止めるため、消費国に買うなと命令したのだ。が、それが困難な国も存在する。そこで日本、韓国、トルコ、中国、インド、台湾、イタリア、ギリシャに対してアメリカ政府は猶予期間を設定したが、それが時間切れになる。中国はイランからの石油輸入を続けそうだが、他の国はアメリカからの圧力に抗しきれないかもしれない。

 今回のタンカーに対する攻撃についてマイク・ポンペオ国務長官はイランが実行したと非難したが、例によって証拠は示していない。単なる「お告げ」だ。

 この攻撃はネオコンの拠点と言われる​ブルッキングス研究所が2009年に出した報告書​に基づいていると指摘する人もいる。アメリカ軍による空爆を正当化するイランによる挑発を示せれば良いのだが、この報告にも書かれているように、世界の人びとに気づかれず、イランにそうした行為をさせるよう仕向けることは非常に難しい

 ​そうした難しい工作は2015年に合意されたJCPOA(包括的合意作業計画)から始まるとする見方​がある。アメリカ大統領だったバラク・オバマがこの作業計画に参加したのは、アメリカがイランの核開発を巡る対立を平和的に解決しようとしているとアピールするためだというのだ。

 オバマはポール・ウォルフォウィッツが口にしていた侵略計画に基づき、2011年春にリビアとシリアを侵略する。使われたのはサラフ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とする傭兵(アル・カイダ系武装グループ)。

 ウォルフォウィッツを含むネオコンが1980年代から考えていた計画はイラクのサダム・フセイン体制を倒して親イスラエル国を築いてシリアとイランを分断、次にシリア、最後にイランを制圧するというものだ。

 2001年9月、ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された直後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺ではイラク、シリア、イランのほか、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンが攻撃予定国に加えられる。

 リビアが狙われた理由として石油利権が指摘されているが、それ以上に大きな理由は、ムアンマル・アル・カダフィがアフリカを欧米から独立させるために独自の通貨(金貨)を導入する計画を立てていたことにあると言われている。

 オバマはネオコンの計画に従って動いていた。そのネオコンはロシアを再支配するだけでなく、イラン制圧を予定していたのだ。6月13日のタンカー攻撃が誰の利益になるかは明白だろう。







最終更新日  2019.06.14 14:34:28

Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.