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《櫻井ジャーナル》

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2019.06.26
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 アメリカのミサイルシステム「イージス・アショア」を安倍晋三政権は萩市と秋田市に配備する準備を進めているが、いずれも地元で強い反発にあっている。

 以前から弾道ミサイル防衛システムは先制核攻撃とセットになっているという考え方がある。先制核攻撃で破壊し損なった相手国の弾道ミサイルを迎え撃つことが目的だということである。

 防衛力の増強にはそうした側面があるのだが、イージス・アショアはそれ自体が攻撃兵器になるという問題もある。その発射装置がトマホークのそれと同じだからだ。トマホークは射程距離が2500キロメートルという巡航ミサイル。つまりウラジオストックや平壌は勿論、北京も射程圏内に入るのだ。

 アメリカ軍は東アジアだけでなくヨーロッパにもイージス・アショアやTHAAD(終末高高度地域防衛)を配備している。ルーマニアやポーランドにアメリカは潜在的攻撃ミサイルを並べているのだ。

 こうした軍事的な恫喝に対し、これまでロシアは「上品」に振る舞ってきた。ロシアのエリート層、特に経済分野には欧米を崇拝する人びとが残っていることも理由のひとつだろう。

 そうした情況が少し前から変化している。アメリカやイギリスが常軌を逸した言動を繰り返し、法と秩序を公然と無視する様子を見て欧米幻想から目覚めた人もいるだろう。

 1991年12月にソ連が消滅して以降、ネオコンなどの好戦派はアメリカが唯一の超大国になったと信じ、ロシアはアメリカが何をしても刃向かわないと考えるようになった。

 新自由主義にドップリ浸かった中国の場合、エリート予備軍はアメリカ留学で洗脳されてきた。中国人はカネ儲けできればほかは気にしないと思い込んでいる人が西側にはいた。

 しかし、ここにきてロシアはアメリカへの幻想を捨てた。イランや朝鮮もアメリカを交渉のできる相手とは考えなくなっている。アメリカなど西側が軍事力を増強すれば対抗措置を執るようになったのだ。

 アメリカがヨーロッパで軍事力を増強してロシアを挑発する中、ロシアのフリゲート艦ゴルシコフ提督が6月24日にキューバのハバナ港へ入った。こうした動きを見て1962年の出来事を思い出した人もいるだろう。

 その背景にはアメリカのソ連に対する先制核攻撃作戦があった。ソ連への核攻撃を想定したドロップショット作戦をアメリカ軍が作成したのは1957年のことだ。その前からアメリカの好戦派はソ連に対する先制核攻撃を計画していたが、これは具体的なものだった。

 沖縄で「銃剣とブルドーザー」による土地の強制接収、軍事基地化が推し進められたのはその頃のことだ。1953年4月に公布/施行された布令109号「土地収用令」に基づいて武装米兵が動員された暴力的な土地接収だった。1955年の段階で沖縄本島の面積の約13%が軍用地になっている。

 萩市や秋田市へのイージス・アショア配備はアメリカの戦略に基づいている。そのアメリカを支えてきたドル体制と情報支配が揺らぎ、帝国は崩壊の危機に瀕している。

 ドル体制と情報支配を揺るがしているのはロシアと中国。アメリカ帝国を維持するためにはロシアと中国を潰し、その富を略奪、エネルギー資源を支配する必要がある。そうしなければアメリカ帝国は崩壊を免れない。新たな世界秩序もアメリカの支配層が望むものではなくなるだろう。萩市や秋田市へのイージス・アショア配備にはそうした背景がある。







最終更新日  2019.06.26 03:06:56



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