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トルコ国防省によると、ロシア製防空システムS-400の配備が始まった。アメリカ政府からの圧力を跳ね返しての購入で、トルコのアメリカ離れが加速するかもしれない。NATOの加盟国がアメリカを離れ、ロシアへ接近する意味は小さくない。 S-400の購入をトルコがロシアに持ちかけたのは2016年11月頃、その翌年の9月には購入契約が結ばれたと発表される。トルコにアメリカ離れを決意させたのは、その年の7月15日の出来事だろう。武装蜂起があったのだ。 2015年までトルコはシリア侵略でアメリカと手を組み、11月24日にはトルコ軍のF-16がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜している。 勿論、トルコが独断で実行できる作戦ではない。アメリカ軍の承認、あるいは命令があったはずだ。撃墜の当日から翌日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問していた事実は無視できない。 ところが、トルコは翌年の6月下旬にロシア軍機の撃墜を謝罪、7月13日にトルコ首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆する。戦争が長引き、トルコは経済的に耐えられなくなっていた。 ロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入したのは2015年9月末。その年に入るとバラク・オバマ大統領は戦争体制を整え、シリアへアメリカ軍は直接侵攻すると見られていた。実は、リビアと同時にシリアへもアメリカ、イギリス、フランスを中心とする連合軍は軍事侵攻することになっていたのだが、シリアだけ延長されていた。2015年に軍事侵攻しようとしたのだろうが、ロシア軍の介入でそれができなくなった。 トルコのロシア接近を見てアメリカはクーデターを目論んだと見られているが、この計画は事前にロシアが察知、トルコ政府へ伝えていた。クーデターが失敗したのはそのためだ。当然のことながら、「同盟国」であるはずのアメリカからは通報はなかった。 このクーデター未遂に関し、レジェップ・タイイップ・エルドアン政権はその首謀者をアメリカへ亡命中でCIAの保護下にあるとも言われているフェトフッラー・ギュレンだと主張、そのギュレンを引き渡すように要求したが、拒否されている。 それだけでなく、トルコはクーデター計画の背後にはアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたと主張している。 トルコはイランとも友好関係を結びつつあるが、シリア西部のイドリブではシリア政府と対立している。シリア政府を転覆させるために送り込んだ傭兵をどうするのかは大きな問題。イドリブの問題をロシアが解決したなら、アメリカの置かれた状況はさらに悪くなる。そうならないよう、あらゆる手段をアメリカは使うだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.07.13 03:22:59
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