《櫻井ジャーナル》

2019/07/16(火)16:23

トランプの女性民主党議員に関するコメントは民主党を揺さぶる計算?

 ドナルド・トランプ米大統領は7月14日付けのツイッターでアメリカ民主党の「進歩的」な女性議員を揶揄した。政府が破綻し、堕落した国から来ながら偉大なアメリカの国民にとやかく言わず、国をどうにかしろというようなことを書き込んでいる。 その女性議員とはイルハン・オマール下院議員とアレキサンドリア・オカシオ-コルテス下院議員を指しているようだが、オカシオ-コルテスはニューヨーク生まれ。このふたりは2016年の大統領選挙で民主党の幹部を動揺させたバーニー・サンダース人気の波に乗って登場してきた議員に含まれる。 オカシオ-コルテスは既存システムで定められた枠内で活動しているが、オマールは枠を無視している。 例えば、パレスチナ問題ではイスラエルを批判し、BDS運動を規制する法律に反対した。BDSとはイスラエルをボイコットし、投資を引き上げ、制裁するべきだとする運動だ。 彼女はベネズエラの政権を転覆させようというアメリカ政府の政策にも反対、この政権転覆工作を指揮する​エリオット・エイブラムズが下院外交委員会に登場​した際、オマールはエイブラムズのイラン・コントラ事件における役割を口にした。 エイブラムズ自身が事件に関わったことを議会に隠した罪を1991年に認め、大統領だったジョージ・H・W・ブッシュの恩赦で助けられたと議員は指摘、そうした人物の証言を信用できるのかと皮肉っている。 若い頃、エイブラムズはヘンリー・スクープ・ジャクソン上院議員の事務所で働いているが、そこでは後にネオコンの中心メンバーになるリチャード・パール、ダグラス・フェイス、エイブラム・シュルスキーなどが育成されていた。 ロナルド・レーガン政権になるとエイブラムズは国務次官補に就任、イラン・コントラ事件に連座する。ジョージ・H・W・ブッシュ政権では大統領特別補佐官、その息子のジョージ・W・ブッシュ政権では中東問題担当の主席顧問を務めている。 2016年の大統領選挙で民主党の幹部が15年までの段階で候補者に内定していたヒラリー・クリントンはネオコンに担がれていた人物。そうした事情があるため、ネオコンの政策を公然と批判するオマール議員はこれまで有力メディアや民主党からも嫌われてきた。そうしたオマールの立場をトランプは計算しているのだろうか?

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