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《櫻井ジャーナル》

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2019.07.18
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 ​公正取引委員会はジャニーズ事務所に対し、独占禁止法違反につながるおそれがある行為をしたとして「注意」した​と伝えられている。2016年12月に解散したSMAPのメンバーだった稲垣吾郎、香取慎吾、草薙剛の3人を番組などへ出演させないよう、テレビ局などに圧力をかけた疑いがあるのだという。

 言うまでもなく、こうした話はしばしば聞く。マスコミを含む芸能の世界の「秩序」、あるいは「しきたり」を乱す人間は制裁されるということだ。

 そうしたことは芸能界に限った話ではないと言う人もいるだろう。確かにその通りで、「国策」に異を唱える人が社会的に不利益を被ることは公然の秘密だ。若者がものを言わない一因である。

 芸能界の暗部に触れたことで訴えられ、敗訴した人物が存在するが、そうした人びとより過激なことを書いていながら訴えられていない人もいる。2代目松浦組元組長で大日本新政會総裁の笠岡和雄だ。彼は自著『狼侠』(大翔、2017年)の中で芸能界を中心に腐敗しつつある日本の実態を明らかにしている。

 笠岡は芸能界における番組出演に関する圧力だけでなく、麻薬の蔓延、そして殺人依頼を受けた経験を明らかにした。しかも、そうした実態を知っているはずの国税、検察、警察、そして裁判所も見て見ぬふりだという。そこまで日本は腐敗しているとうことだろう。

 構造的な問題も指摘している。笠岡によると、1992年に暴対法が施行された後、テレビコマーシャルで荒稼ぎするための会合がバリ島で開かれたとしている。出席したのは芸能界からK社長など、広域暴力団のT組長など、右翼団体のE会長、そして広告代理店のCM担当役員たちだったというのだ。

 テレビ広告を出すような企業のスキャンダルを調べ、右翼団体や総会屋を使って脅し、広告代理店が芸能界の某人物につなぐ。いわゆる出来レースなので脅しは止まるのだが、その代償として特定の芸能事務所に所属するタレントを使ってCMを流さなければならなくなる。スキャンダルを作り出す仕組みも存在していると言われている。

 この仕組みの核は広告代理店だろう。テレビをはじめ、マスコミの収入に対する大きな影響力を広告代理店は持っている。マスコミへの影響力という点で、広告代理店は融資という切り札を持つ銀行と双璧をなしている。

 国際的に見ると、広告代理店は1990年代から政治との結びつきを深めている。例えばイラク軍がクウェートへ軍事侵攻した後の1990年10月、アメリカ下院の人権会議でイラク軍の残虐性をひとりの少女「ナイラ」が証言している。アル・イダー病院でイラク兵が赤ん坊を保育器の中から出して冷たい床に放置し、赤ん坊は死亡したと訴えたのだが、この話は全てが嘘だった。この証言を演出したのが広告代理店のヒル・アンド・ノールトン。証言した少女はアメリカ駐在のクウェート大使だった人物の娘で、イラク軍が攻め込んだときにクウェートにはいなかった。

 ジョージ・W・ブッシュ政権はプロパガンダに広告代理店を使っている。例えば、「アフガニスタン再建グループ」の一員としてアメリカ大使にアドバイスしていたジェフ・ラリーはヒル・アンド・ノールトンの元重役であり、ドナルド・ラムズフェルド国防長官のスポークスマンになったビクトリア・クラークも同社の出身だ。(Solomon Hughes, “War On Terror, Inc.”, Verso, 2007)

 クラークは「埋め込み取材」を考え出し、広告の専門家やロビーストたちと秘密裏にこの戦争に関するプランを検討している。その結果、アメリカの大衆に納得させるためには、「アル・カイダ」のような正体不明の存在でなく、具体的な国と結びつける必要があるということになった。そこで考え出されたのが「悪の枢軸」、つまりイラン、イラク、朝鮮の3カ国だ。

 また、コリン・パウエル国務長官が次官に据えたシャルロット・ビアーズは「マディソン街の女王」と呼ばれる人物で、ふたつの大手広告会社、オグルビー・アンド・マザーとJ・ウォルター・トンプソンのトップになった経験の持ち主。

 ビアーズの手法は「単純化」と「浅薄化」。イラクへの先制攻撃をアメリカ政府は「イラクの自由作戦」と命名したが、これもビアーズのアドバイスに従っている。小泉純一郎も同じ手法を採用し、効果的だった。







最終更新日  2019.07.18 16:23:43

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