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《櫻井ジャーナル》

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2019.07.31
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 ロシアが抱えている最大の問題はウラジミル・プーチン大統領が新自由主義から抜け出せないことにあると言われてきた。経済部門は今でもボリス・エリツィン時代の延長線上にある。政府への従属を受け入れられない強欲なオリガルヒはロンドンやイスラエルへ逃げたが、ウォール街やシティとつながる勢力がプーチン政権でも大きな役割を果たしてきた。

 建前はどうであれ、このイデオロギーに公正さは含まれていない。「個人の自由」と言えば聞こえは良いが、殺す自由、破壊する自由、盗む自由も含まれる弱肉強食の思想。そうした世界における「法」とは強者の意思にすぎず、「法の支配」とは富豪たちによる独裁にほかならない。

 G20首脳会議が6月28日から29日にかけて大阪で開催されたが、その直前にプーチン大統領はモスクワでイギリスのフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューを受け、その中で「リベラルな思想は時代遅れになった」と語っている。その例として挙げられているのが移民政策。プーチンによると、移民は処罰を受けずに殺人、略奪、レイプが可能になっているという。

 西側の移民政策は労働者の賃金を押し下げることを主な目的にしていることは少なからぬ人が指摘している。その通りだろう。「人道」は単なる建前だ。パレスチナでの虐殺を放置してきた「国際世論」が人道的だとは思えない。

 数年前、ヨーロッパへ移民が押し寄せて大きな社会問題なったが、その原因を作ったのはアメリカを中心とする西側諸国による中東や北アフリカへの侵略戦争。殺戮、破壊、略奪で破壊された国を脱出してヨーロッパへ向かった人は少なくないだろう。しかも、その中には西側の支配者が侵略戦争の傭兵として使った戦闘員が紛れ込んでいた。メキシコを経由してアメリカへ流れ込む人びとが少なくない理由はアメリカの巨大資本がラテン・アメリカの政治経済を破壊してきたからだ。

 西側は侵略戦争を正当化するために「民主化」や「人道」といった看板を掲げていたが、実際に行ったことは民主主義の破壊であり、人びとから生きる権利を奪うことだった。バラク・オバマ政権はイギリスやアメリカの情報機関が作り上げたムスリム同胞団の武装勢力を使い、非宗教的な体制を破壊した。

 こうしたことは「真のリベラル」ではないと言う人もいるだろう。確かにその通りだが、宗教やイデオロギーは権力者に取り込まれ、腐敗していく。「リベラル」もそうした道をたどってきたのである。

 ところで、エリツィン時代の経済政策はアナトリー・チュバイスやエゴール・ガイダルを含む集団が決めていた。このふたりともハーバード大学のジェフリー・サックス教授や投機家のジョージ・ソロスと近い関係にあった。つまりエリツィン政権の経済政策は米英の巨大金融資本にコントロールされていたということ。プーチン政権にでそうした人脈につながっている人物にはドミトリ・メドベージェフ首相や大統領府第1副長官のセルゲイ・キリエンコも含まれている。

 西側の巨大金融資本に影響されて打ち出された経済政策の一例が「年金改革」だ。こうした新自由主義に毒された人びとは富が一部の人間へ流れていく構造に手をつけず、緊縮財政や金融政策でごまかそうとする。そして大多数の庶民は貧困化していく。エリツィン時代の露骨な新自由主義はなくなっているが、完全には決別していない。だからロシアでプーチンの支持率が落ちているのだ。







最終更新日  2019.07.31 08:55:58



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