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《櫻井ジャーナル》

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2019.08.07
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 アメリカのドナルド・トランプ大統領はINF(中距離核戦力全廃条約)を破棄すると昨年(2018年)10月に表明、今年2月にロシアへ破棄を通告し、8月2日に失効した。それを受け、ロシアも条約義務の履行を停止している。

 少なからぬ人が指摘しているように、アメリカがINFを廃棄した最大の理由はロシアに対する先制攻撃の恫喝。戦争が始まればEUも戦場になり、そこに存在している国々は消滅すると見られている。そのEUからアメリカの属国と化しているイギリスは離脱しようとしている。

 ロッキード社(現在はロッキード・マーチン)でトライデント(潜水艦発射弾道ミサイル)の設計主任をしていたロバート・オルドリッジは自分の仕事が先制第1撃を目的にしていると考えていたが、遅くとも第2次世界大戦の直後からこれはアメリカの一貫した方針である。自分たちが圧勝できると考えた時点でその方針が前面に出てくる。

 1991年12月にソ連が消滅した際、ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと認識、単独で行動することができるようになったと考え、国連も無視するようになった。残されたアメリカへの従属度の低い体制を軍事力で潰していくことにしたわけだ。まず旧ソ連圏の国々、ついでイラク、シリア、イランが想定されていた。

 ところが、21世紀に入り、彼らの想定していなかったことが起こる。ウラジミル・プーチンを中心とする勢力がロシアを不十分ながら再独立させたのだ。

 それでもボリス・エリツィン時代にロシアは破壊され、敵ではないとアメリカ側は考えた。そうした見方を論文という形で発表したのがキアー・リーバーとダリル・プレスだ。

 ​フォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたふたりの論文​は、アメリカが近いうちにロシアと中国の長距離核兵器を先制第1撃で破壊する能力を持てると主張している。ロシアや中国と全面核戦争になっても圧勝できると信じているのだ。両国を甘く見ていた。

 その判断が間違っていることはすぐに判明する。2008年8月に北京で夏季オリンピックが開催されているが、その開幕に合わせてジョージア軍が南オセチアを奇襲攻撃、ロシア軍の反撃で粉砕されてしまったのである。

 この攻撃を「無謀だった」と後講釈する人もいたが、2001年からイスラエルの軍事会社はジョージアへ武器を提供、それと同時に軍事訓練を行ってきた。これはイスラエル政府の政策だ。それと同時にアメリカからも支援があった。

 それだけでなくジョージアはイスラエル軍に基地を貸していた。その基地もロシア軍は攻撃、そこへ航空機を着陸させてジョージア軍を攻撃したという。(Thierry Meyssan, “Before Our Very Eyes,” Progressive Press, 2019)

 その後、ロシア軍の強さはシリアでの戦闘でも確認された。巡航ミサイル、防空システム、電子戦、いずれもアメリカを上回る性能があることが確認されたのである。これを見た各国はアメリカを以前のようには恐れなくなった。そうした国のひとつが朝鮮だろう。(つづく)







最終更新日  2019.08.07 12:47:16



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