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《櫻井ジャーナル》

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2019.08.13
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 韓国の産業通商資源省は日本をホワイト・リストから除外すると8月12日に発表した。9月から実施する方針だという。同省の成允模大臣によると、「国際的な輸出管理の原則」に沿った輸出管理制度の運用を行っていない国を分類する新しいカテゴリーを創設、日本をそのカテゴリーに振り分ける。

 この決定が日本政府の決定に対する対抗措置、あるいは意思表示であることは間違いないだろう。安倍晋三政権は7月1日に韓国をホワイト・リストから外すと発表、韓国に対する半導体の製造に必要な材料の輸出規制を強化を打ち出した。こうした政策を安倍首相が打ち出したのは徴用工の問題が原因だと言われている。

 徴用工とは、日本に支配されていた中国や朝鮮で第2次世界大戦中に日本企業で強制的に働かされていた人びと。日本では1938年に国家総動員法が制定され、翌年に公布された国民徴用令によって厚生大臣は強制的に人員を徴用できるようになっていた。この仕組みを国外で外国人に適用したことから問題になっているのだ。

 韓国の場合、安倍政権は朴正熙政権下の1965年のに結ばれた日韓請求権協定でこの問題は「完全かつ最終的に解決している」としているが、韓国の大法院(最高裁)は個人の請求権については未解決と判断した。

 実は、日本の外務省も日韓両国が国家として持っている外交保護権を相互に放棄したということであり、個人の請求権そのものを消滅させたものではないと国会でこの協定について説明してきた。安倍政権の主張に説得力はない。韓国政府を攻撃するために徴用工の問題を利用しているにすぎないのではないか。

 訴えられた日本企業も今回のような判決が出ることは予想できたはずで、実際、和解の姿勢を見せていた。判決の問題だけでなく、今後のビジネスを考えてもそれが得策だからだ。

 ところが、2013年7月にソウル高裁が新日鉄住金に賠償を命じた後に同社が判決を受け入れるかどうかを検討し始めると、安倍政権は判決を受け入れないようにと圧力をかけたと報じられている。主導したのは菅義偉官房長官らだという。

 日本が韓国にとって重要なビジネス相手国だということは事実だが、その一方で韓国が中国やロシアとの関係を強めていることも事実。アメリカやイギリスにとって日本や韓国は東アジア侵略の拠点であり、戦争の危険性がつきまとう。

 朝鮮半島では1950年6月から53年7月にかけて戦争があり、破壊と殺戮の場となった。その間、アメリカ軍は大規模な空爆を実施、SAC(戦略空軍総司令部)の司令官だったカーチス・ルメイによると、朝鮮の人口の20%を殺している。実際はそれ以上だろう。次の戦争における被害はこれを大幅に上回る可能性が高い。

 ちなみに、この戦争で投下された爆弾は約63万5000トンだと言われているが、大戦中にアメリカ軍が日本へ投下した量は約16万トンにすぎない。

 かなり前からアメリカや日本は「第2朝鮮戦争」を想定しているが、これは韓国人も朝鮮人も受け入れがたい。攻撃用兵器に転用できる防空システムのTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムの持ち込みは「右」と見られていた朴槿恵政権が嫌がっていた理由もそこにある。実際に持ち込まれたのは朴槿恵がスキャンダルで機能不全になっていたときだ。

 朴槿恵が失脚する直前、国軍機務司令部が戒厳令を計画、​合同参謀本部議長の命令ではなく陸軍参謀総長の指示で陸軍を動かそうとしていた​と伝えられている。権限を持たない国軍機務司令部が戒厳令を計画したとする話が事実なら、これはクーデター計画にほかならない。韓国人の意思をクーデター政権で押し潰してしまおうとしたのかもしれない。その韓国軍は日本が韓国に圧力を加えるタイミングでアメリカ軍との軍事演習を計画した。


 一方、ロシアのウラジミル・プーチン政権は東アジアでの交易を盛んにすることで地域の安定を図り、アメリカの影響力を排除しようとしてきた。

 例えば、​2011年夏にはドミトリ・メドベージェフ首相がシベリアで朝鮮の最高指導者だった金正日と会い、110億ドル近くあったソ連時代の負債の90%を棒引きにし、鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると提案​している。

 朝鮮がロシアのプランに同意すれば、シベリア横断鉄道を延長させ、朝鮮半島を縦断、釜山までつなげることが可能。鉄道と並行してパイプラインの建設も想定されていたはずだ。

 このプランを金正日は受け入れるのだが、その年の12月に急死してしまう。2011年12月17日に列車で移動中に車内で急性心筋梗塞を起こして死亡したと朝鮮の国営メディアは19日に伝えているが、韓国の情報機関であるNIS(国家情報院)の元世勲院長(2009年~13年)は暗殺説を唱えている。元院長によると、総書記が乗った列車はそのとき、平壌の竜城駅に停車中だった。

 その後、ロシアの提案に進展はなく、ミサイル発射や核兵器開発の問題で情況は悪化していく。そうした情況を一気に変化させたのが2018年4月の文在寅韓国大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の会談だった。

 その1年前、つまり2017年4月にアメリカ軍はシリアのシャイラット空軍基地に対し、地中海に配備されていたアメリカ海軍の2駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機で攻撃した。アメリカはそれでロシアやシリアを震え上がらせるつもりだったのだろうが、ミサイルの6割が無力化されてしまい、ロシア製防空システムの高い能力を宣伝することになった。

 その1年後、2018年4月には100機以上の巡航ミサイルをアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍がシリアに対して発射したものの、今度は7割が無力化されている。アメリカ側は発射ミサイル数を倍増させ、それ以外にも対策を練ったのだろうが、ロシア側も対策を練っていた。最も大きかったのは短距離用の防空システムのパーンツィリ-S1の配備だと言われている。

 この2度のアメリカ軍による攻撃の失敗は朝鮮の金正恩体制兵も少なからぬ影響を及ぼしただろう。かつてアメリカを「張り子の虎」と表現した人がいたが、そう考える人が増えているようだ。おそらく、朝鮮政府はアメリカ軍を恐れていないだろう。

 現在、ロシア政府のプランは中国のBRI(帯路構想)と結びついている。こうしたロシアと中国のプランを潰すため、海で軍事的な緊張を高め、陸路を潰すためにサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵が投入されている。そのターゲットには勿論、新疆ウイグル自治区も含まれている。







最終更新日  2019.08.13 13:26:22

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