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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は8月29日、北京にある釣魚台国賓館で中国の習近平国家主席と会談した。フィリピンと中国は南シナ海で領海を巡って対立してきたが、友好的な関係を推進することで合意したという。 問題の海域には資源が存在していると言われているが、中国が進める一帯一路(BRI/帯路構想)の東端でもある。19世紀からイギリスはユーラシア大陸の周辺部分を支配して内陸部を締め上げ、最終的にはロシアを制圧しようとしてきた。アメリカはその長期戦略を引き継いでいるが、BRIの海路はその戦略を壊してしまう。 ドゥテルテの前に大統領だったベニグノ・アキノ3世はマニラ国際空港で殺されたベニグノ・アキノ・ジュニアと元大統領のコラソン・アキノの息子で、アメリカ支配層の傀儡。アキノ3世当時、アメリカはフィリピン、ベトナム、オーストラリア、インド、韓国、そして日本を結びつけて「東アジア版NATO」を作り上げようとしていた。BRIの海路を断ち切り、中国を締め上げる道具にしようとしたのだろう。アメリカは自由な航行を認めない。 安倍晋三政権は2015年9月に「平和安全法制(安保法制)」を強引に成立させたが、その3カ月前に安倍首相は赤坂の赤坂飯店で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたという。首相はアメリカの作戦を理解している。 アキノ3世がフィリピンの大統領に就任した3カ月後、2010年9月に海上保安庁は「日中漁業協定」を無視する形で尖閣諸島の付近で操業していた中国の漁船を取り締まる。この時の首相は菅直人。海上保安庁は国土交通省の外局だが、当時の国交大臣は前原誠司だ。この協定を無視した取り締まりによって田中角栄と周恩来が「棚上げ」にした尖閣諸島の領有権問題が引きずり出され、日本と中国との関係が悪化する。 それに対し、ドゥテルテはアメリカからの自立を図り、中国を敵視する政策を軌道修正しようとしてきた。当然、アメリカの支配層から危険視される。ドゥテルテによると、2016年9月の段階でフィリピンの情報機関からバラク・オバマ政権が彼を殺したがっているという報告を受けたという。 そして2017年5月、フィリピン南部にあるミンダナオ島のマラウィ市をマウテ・グループやアブ・サヤフ、つまりダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)系の武装集団が制圧した。この島では以前からダーイッシュが活動、市内には500名程度の戦闘員がいると推測されていたが、アメリカ軍は活動を容認していた。言うまでもなく、この戦闘員はアメリカの傭兵だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.08.31 11:29:55
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