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《櫻井ジャーナル》

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2019.09.07
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 ドイツのアンゲラ・メルケル首相が8月6日に北京で中国の習近平国家主席と会談した。中国とドイツは互いに重要な貿易相手国。ドイツはアメリカの属国になっているが、日本とは違って自立した部分も残し、ロシアとの関係も断ち切ろうとはしていない。

 西側の有力メディアは相変わらず「人道」や「民主」といった御札を貼りまくっているが、国外では侵略、破壊、殺戮、略奪を繰り返し、国内では収容所化を進め、1%に満たない一部の人びとへ富と情報が集中する仕組みを築いている自分たちの体制のことは無視している。西側メディアの御札に影響されるのは考えることをしない人びとだろう。

 ドイツやフランスの経済界はロシアや中国との関係を強めているが、アメリカはそうした動きを妨害してきた。そのアメリカの計画は挫折しつつあるのだが、その原因を作ったのはロシアであり、2013年から14年にかけての時期が転換点になっている。

 EUとロシアとの関係を断ち切るため、バラク・オバマ政権は2013年にウクライナでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すためにクーデターを仕掛けた。

 この年の11月に反ヤヌコビッチ派は抗議活動を始めるが、その拠点になったのがキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)。EUへ憧れを持つ人びとを集めるため、当初の演出は「カーニバル」的なもので、12月に入ると50万人が集まったとも言われている。

 その段階で前面に出てきたのがアメリカ/NATOの訓練を受けたネオ・ナチのグループ。年が明けて2月の半ばには棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃も始めた。その頃から広場では狙撃がはじまるが、反ヤヌコビッチ派も警官隊も狙われている。

 狙撃を指揮したのはネオ・ナチのアンドリー・パルビーで、本ブログでも書いたように、ジョージアなどからスナイパーが入っていたことも明らかにされている。

 ヤヌコビッチ大統領は2月22日に排除されるが、その3日後にキエフ入りして事態を調べたエストニアのウルマス・パエト外相はスナイパーがクーデター派だということをつかみ、EUの外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)だったキャサリン・アシュトン(イギリス人)へ電話で報告するが、その会話が録音され、インターネット上に流された。パエトによると、「​全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。・・・・・スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合(クーデター派)の誰かだというきわめて強い理解がある。​」

 ロシアのソチでは2014年2月7日から23日にかけて冬期オリンピックが開かれているが、キエフのクーデターがこのオリンピックに合わせて実行されたことは間違いないだろう。ロシアが動きにくい時期を狙ったということだ。

 この時期、アメリカはシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒すため、傭兵を送り込んで戦わせていた。侵略戦争が始まったのは2011年3月。リビアへの侵略が始められた翌月のことだ。

 リビアの場合、地上ではアル・カイダ系武装勢力のLIFGを中心とする武装勢力が戦い、空からNATOが攻撃するというコンビネーション。2011年10にはムアンマル・アル・カダフィ体制が倒され、カダフィ自身は惨殺された。

 シリアのアサド体制も同じように倒そうとしたのだろうが、その前にロシアが立ち塞がる。リビアを攻撃する前、アメリカ、イギリス、フランスなどはリビア上空に飛行禁止空域を設定しようとする。そのために国連の安全保障理事会で決議1973が採択された。この決議がリビアのカダフィ体制を倒すことが目的だということは事前に指摘されていた。

 それにもかかわらず、中国やロシアは決議で棄権。つまり中国とロシアがリビアの破壊を容認したことになる。ロシアで棄権を決めたのは大統領のドミトリー・メドベージェフだが、棄権を知ったウラジミル・プーチン首相は激怒したという。そしてシリアでロシアはNATOの軍事介入を許さない。(Max Blumenthal, “The Management Of Savagery,” Verso, 2019)

 シリア侵略が思惑通りに進まないことからアメリカは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)を売り出す。この戦闘グループの主力もサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団。

 オバマ政権の政策はこうしたグループへの支援だと​2012年の段階で警告​していたのがアメリカ軍の情報機関DIAであり、当時の局長がマイケル・フリン中将。その警告がダーイッシュという形で現実なったわけだ。そして2014年にフリンは解任された。(つづく)







最終更新日  2019.09.07 20:59:33



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