2019/10/02(水)00:32
ウクライナのバイデン疑惑とイエメンに逆襲されるサウジについて話します
東京琉球館で10月19日の午後6時から「ウクライナのバイデン疑惑」と「イエメンに逆襲されるサウジ」というテーマで話します。予約制とのことですので、興味のある方は事前に下記まで連絡してください。東京琉球館住所:東京都豊島区駒込2-17-8電話:03-5974-1333http://dotouch.cocolog-nifty.com/ 前半はバイデン親子のウクライナ疑惑を取り上げます。ウクライナの検事総長を解任させたことをジョー・バイデンがCFR(外交問題評議会)で自慢したのは昨年1月のことでした。10億ドル欲しければ6時間以内に検事総長を解任しろと恫喝、解任されたという話でした。 バイデンは汚職捜査が進まないことを懸念してのことだとしていたのですが、今年4月、検察当局がジョー・バイデンの息子ハンター・バイデンが重役を務める天然ガス会社ブリスマの汚職を捜査していたことが明らかにされました。しかも圧力は2015年終わりから16年初めにかけての数カ月におよんだといいます。 この話を7月にドナルド・トランプ米大統領はウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領に電話でしました。その内容をアメリカの情報機関は傍受、その通話内容が問題だとして下院情報委員会に「内部告発」、その話を有力メディアが盛んに宣伝しはじめました。今年4月の段階でバイデンは汚職捜査を止めさせる目的でウクライナの検事総長を辞めさせようとした疑いが出てきたのですが、そうした疑惑には興味がないようです。 疑惑を隠す一方、返す刀でトランプを攻撃しようという「ロシアゲート方式」を採用するつもりかもしれませんが、この問題はバイデンだけでなく民主党にとって致命傷になる可能性があります。 後半はイエメン情勢です。イエメンは戦略上、重要な位置にあり、侵略の対象になってきましたが、現在、続いている戦争の原因はアメリカ主導軍による2003年のイラク侵略にあります。 その侵略に抗議するため、フーシ派はモスクで反アメリカ、反イスラエルを唱和したのですが、当時のイエメン政府がそうした行為を弾圧、首都のサヌアで800名程度を逮捕しました。そうしたことが切っ掛けになり、2004年に戦闘が始まったのです。 戦闘はフーシ派が優勢な展開になり、2009年にサウジアラビアはイエメンに空軍と特殊部隊を派遣しました。その年には「アラビア半島のアル・カイダ(AQAP)」が創設されていますが、ほかのケースと同じようにアル・カイダ系武装集団は傭兵です。 資金力や兵器が圧倒的に優位にあり、アメリカやイスラエルの後ろ盾があるサウジアラビアが圧勝しても不思議ではないのですが、そうした展開にはなっていません。9月にはアラムコの石油処理施設が18機のUAV(無人機。ドローンとも呼ばれる)と7機の巡航ミサイルで攻撃され、生産量が半分に落ちるという事態になりました。その半月後にはサウジアラビアの3旅団がフーシ派軍の攻撃で壊滅したと伝えられています。 アメリカの好戦派がイランを軍事的に恫喝、経済的に攻撃している間にアメリカやサウジアラビアの足下が崩れ始めています。 バイデンの話もイエメンの話も今後の国際情勢に大きな影響を与える可能性があります。そうしたことを考えてみたいと思います。