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《櫻井ジャーナル》

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2019.11.10
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 1946年3月5日にチャーチルはアメリカのミズーリ州フルトンで「バルト海のステッティンからアドリア海のトリエステにいたるまで鉄のカーテンが大陸を横切っている」と演説し、冷戦の開幕を告げた。

 1947年になると、​チャーチルはアメリカのスタイルス・ブリッジス上院議員に対し、ソ連を核攻撃するようハリー・トルーマン大統領を説得して欲しいと頼んだ​と伝えられている。

 1948年11月、イギリス外務省のグラドウィン・ジェブが委員長を務める「ロシア委員会」の「冷戦小委員会」はソ連の衛星国を武力で「解放」することを決定、空軍参謀長は5年以内にソ連の体制を転覆させたいと考えた。(Michael Holzman, “James Jesus Angleton,” University of Massachusetts Press, 2008)

 ジェブは1949年3月にワシントンDCを訪問、アメリカ国務省の幹部や極秘の破壊工作機関OPCの指揮者はイギリスの提案を受け入れた。作戦は1949年から53年にかけて実行されたが、失敗に終わる。物資の供給拠点はリビアにあるアメリカの空軍基地、軍事訓練はマルタで行われたという。(Michael Holzman, “James Jesus Angleton,” University of Massachusetts Press, 2008)

 この頃、アメリカ軍の内部ではソ連に対する大規模な核攻撃計画を作成している。当初、核攻撃の手段は戦略爆撃機で、その攻撃はSAC(戦略空軍総司令部)が担当していた。

 このSACが1956年に作成した核攻撃計画に関する報告書(SAC Atomic Weapons Requirements Study for 1959)によると、ソ連、中国、そして東ヨーロッパの最重要目標に対しては水爆が使われ、ソ連圏の大都市、つまり人口密集地帯に原爆を投下することになっていた。この当時のSAC司令官はカーティス・ルメイだ。

 この計画は実行を念頭に置いたもの。沖縄では1950年代に土地が強制接収され、軍事基地化が推し進められたのもそのためだろう。1955年の段階で沖縄本島の面積の約13%が軍用地になっている。

 アメリカ軍はソ連への核攻撃を想定したドロップショット作戦を1957年の初頭に作成、300発の核爆弾をソ連の100都市に投下する予定になっていた。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

 その後、核爆弾の運搬手段としてICBMが重視されるようになり、その準備をアメリカは始める。​先制攻撃はソ連がICBMを準備できていない時点で実行したい軍や情報機関の好戦派は1963年後半に実行しようと考える​。この作戦の前に立ちはだかったジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたのは1963年11月22日だ。

 こうしたアメリカ側の動きをソ連が察知していたことは間違いないだろう。ICBMで圧倒されているソ連が中距離ミサイルを使おうとするのは当然で、中距離ミサイルをソ連が配備できるキューバに米ソ両国は目をつけた。そしてミサイル危機につながる。「ベルリンの壁」もそうしたときに作られた。

 ソ連は102発の核弾頭をキューバに持ち込もうと計画、輸送船は潜水艦が護衛していた。そうした潜水艦に1隻、B59を空母ランドルフを中心とする艦隊が対潜爆雷で攻撃、アメリカとソ連の戦争が始まったと判断したB59の艦長は核魚雷の発射準備に同意するようにふたりの将校に求めた。

 この攻撃はたまたま乗り合わせていた旅団参謀が拒否して実行はされなかったが、この核魚雷の威力は広島に落とされた原子爆弾と同程度で、もし発射されていたなら現場にいたアメリカの艦隊は全滅、核戦争に突入したとしても不思議ではない。アメリカ側はソ連軍の潜水艦が核魚雷を搭載しているとは思っていなかった。

 アメリカとイギリスがソ連に対する先制核攻撃を計画している中に建設された「ベルリンの壁」は1989年11月に崩壊、ゴルバチョフは1990年に東西ドイツの統一を認めた。

 その後、アメリカはゴルバチョフとの約束を破ってNATOを東へ拡大させ、1999年3月にはユーゴスラビアを先制攻撃、今ではロシアとの国境近くまで勢力圏を拡大させ、ミサイルを配備している。壁が崩壊した後に世界から平和は遠ざかり、核戦争の危機が飛躍的に高まった。

 こうしたアメリカの戦略が日本にも強く影響、アメリカの戦争マシーンに組み込まれたことは本ブログでも繰り返し書いてきた通りだ。アメリカは日本人が「頭脳」を持つことを期待していない。彼らの指示に従う傭兵、あるいは戦闘ロボットであることを望んでいるだろう。(了)







最終更新日  2019.11.10 18:39:34



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