《櫻井ジャーナル》

2019/11/26(火)02:21

香港の選挙結果は破壊活動が支持されたことを意味しない

 香港で11月24日に区議会選挙があり、「民主化」を掲げる勢力が議席の約8割を獲得したと報じられている。が、その一方で半年前に始められた反中国活動は沈静化しつつある。 半年前に始められた反中国活動の背後にアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6が存在していると指摘され、活動を率いていた若者の中にはアメリカの国旗やイギリスの植民地であることを示す旗を掲げ、アメリカの国歌を歌うものもいた。これは本ブログでも書いた通りだ。 反中国の活動は予想されていたより盛り上がらず、過激化していく。建造物を破壊、交通機関を止め、中国系メディアのオフィスが襲撃され、石や火炎瓶が飛び交い、最近では洋弓で矢が射られている。 投げられた石があたって70歳の街路清掃人が死亡し、​反中国派に抗議する57歳の男性、リャン・チーチャン(梁志祥?)が可燃性の液体をかけられた上で火をつけられる​ということもあった。 火だるまになった男性は体の28%を火傷して入院。回復しつつあると言われているものの、10日にわたって意識がなかったという。男性に火をつけたのは20名余りの反中国派で、すぐに現場から逃走した。 こうした活動を「デモ」で片付けることは正しくない。今回の選挙結果を「デモの民意が反映された」と言うべきでもない。 今回の選挙結果は中国政府への反発、それは侵略や犯罪の拠点として機能していたイギリス植民地時代への郷愁なのかもしれないが、学生と思われる人びとの破壊活動が支持されたのだとは思えない。 こうした破壊活動グループへの参加者が減ったのは支持者の減少を意味するのか、破壊活動が支持されないと考えて戦術を転換したからなのかは不明だが、破壊活動は米英とつながる会社からも批判されていたはず。 すでに香港は中国の経済発展に立ち後れている。置いてけぼりにされた気持ちになり、イギリスやアメリカに従属していた時代を懐かしんでも不思議ではない。そうした気持ちを反映した選挙の結果が香港に住む人びとの生活を向上させなかった場合には新たな問題が起こるだろう。そうした事態を想定、CIAやMI6は中国を揺さぶるために何らかの工作を考えているだろう。

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