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《櫻井ジャーナル》

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2020.02.07
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 シリア西部にあるイドリブは、言うまでもなく、シリアの領土である。そのイドリブをジハード傭兵の手から取り戻すためにシリア政府軍が軍事的な圧力を強めている。その結果、シリアとトルコとの関係が緊迫化してきた。

 ジハード傭兵の雇い主はシリアに対する侵略戦争が始まった2011年の春当時、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟のほか、イギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビ、パイプライン建設を目指していたカタール、オスマン帝国の復活を夢想するトルコなどだった。

 アメリカ軍の情報機関DIAが2012年8月、バラク・オバマ大統領へ警告したとおりに14年からサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする武装勢力がシリア東部からイラク西部にかけての地域を制圧、その残虐さを宣伝しはじめる。

 その武装勢力につけられたタグがダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)だが、サラフィ主義者やムスリム同胞団を中心とした傭兵という点で、さまざまなタグをつけられたアル・カイダ系武装集団と違いはない。

 ジハード傭兵(アル・カイダ)の仕組みは1970年代にアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がパキスタンや帝政イランと手を組んで作り上げたのだが、2011年に始まったシリア侵略では侵略参加国がそれぞれ配下の武装グループを編成したようだ。

 イドリブに隣接しているトルコが編成したジハード傭兵の集団も存在、2016年にトルコがアメリカから離れてロシアへ接近してからも活動を続けている。その傭兵集団をシリア政府軍は攻撃、それにトルコ政府は抗議、反撃すると警告している。

 トルコは経済的に厳しい状況にあり、レジェップ・タイイップ・エルドアン政権は好戦的な政策で国民の目を国外へ向けさせている側面があるのだが、そうした政策は経済活動の相手であるシリアやロシアとの関係を悪くし、ますます国内経済を悪化させることになる。

 エルドアンの支配体制は揺らいでいるのだが、そこにアメリカ支配層がつけ込み、何らかの工作を仕掛けている可能性はある。ロシアのトルコ系住民を利用しようと目論んでいるかもしれない。シリア政府はトルコがイスラエルに接近していると批判している。

 しかし、アメリカもトルコの扱いは難しい。思い通りにならないエルドアンをアメリカは2016年7月にクーデターで排除しようとしたが、失敗している。その直後、トルコ政府はクーデター計画の背後にアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたと主張していた。

 それ以降、アメリカはトルコと対立関係にあるクルドを手先として使い始めた。イラクのクルドは1960年代からイスラエルにコントロールされているが、シリアのクルドにそうした主従関係はなかったのだが、「独立国」という餌に飛びついてアメリカの手先になったようだ。

 アメリカやイスラエルは歴史的な背景を無視してイラクとシリアのクルドを一体化させ、一種の「満州国」を作り上げようとしている。イラクのクルドを支配するためにアメリカやイスラエルはバルザニ家を使ってきた。

 現在、イラクにあるクルド自治政府のネチルバン・バルザニ首相を軸にする勢力をアメリカは動かしている。その祖父にあたるムスタファ・バルザニは1960年代後半からイスラエルの情報機関モサドのオフィサーだったと言われている人物だ。その息子でネチルバンの叔父にあたるマスード・バルザニがムスタファの後継者だが、やはりイスラエルの影響下にあった。

 アメリカやイスラエルがクルドを使った工作を放棄しそうにはなく、エルドアン政権は彼らからクーデターで排除されるところだった。つまり信用できる相手ではない。トルコ政府は難しい判断を迫られていると言えるだろう。







最終更新日  2020.02.07 12:14:20



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