《櫻井ジャーナル》

2020/03/06(金)16:09

シリアで軍事攻勢を強めていたトルコ政府をロシア政府がモスクワで押さえ込んだ

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とロシアのウラジミル・プーチン大統領は3月5日にモスクワで3時間にわたって会談、シリア西部のイドリブにおける戦闘を終わらせることで合意したと発表された。停戦は3月6日の深夜(6日0時1分)から開始、その情況を監視するためのポストが設置され、ロシアとトルコは3月15日から合同で幹線道路をパトロールするという。 会談の直前にエルドアン政権はイドリブでシリア軍に対する攻勢を強め、難民でEUを脅し、アメリカ政府とも接触したが、いずれも思惑通りには進まなかったようだ。今回の会談でエルドアン政権はプーチン政権に抑え込まれたように見えるが、そうなると、約8万人と言われるジハード傭兵との関係が再び難しくなりそうだ。しかも​議会ではエルドアンの好戦的な政策を巡り、対立が激しくなっている​。 EUは難民受け入れを政策としているが、トルコ政府の政策でEUへ流れ込むであろう人びとの中にはシリア人だけでなく北アフリカ出身者の密航者も含まれ、そこには業者が介在しているという。北アフリカからの難民が増えた最大の理由はリビアへの軍事侵略。難民の中にジハード傭兵が混じっていることも大きな問題だ。トルコからの移民が多いドイツには以前からジハード傭兵のネットワークができていると言われている。 その一方、アフガニスタンでは2月29日にアメリカ政府とタリバーンの話し合いの結果、14カ月以内にアメリカ軍がアフガニスタンから撤退することで合意、残るのはCIAの私兵のみとも言われたが、3月4日にアメリカ軍はタリバーンの部隊を空爆した。ドナルド・トランプ大統領が打ち出す和平に向けての政策に反する軍事作戦を現地のアメリカ軍が実行するといういつものパターンだ。本ブログでは繰り返し指摘してきたが、アメリカの中央軍やNATO軍は「関東軍」化している。

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