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アメリカでは今年11月に次期大統領を決める投票が予定されている。巨大資本やシオニストに支配される「2大政党」、つまり民主党と共和党の候補者で争われる恒例の行事だが、それでも支配システムにとって好ましくない候補者も存在する。
最も嫌われていたのは戦争反対の立場を鮮明にしていたトゥルシ・ガバードだろうが、支持率は低かった。バーニー・サンダースも嫌われていたのだが、ここにきて選挙キャンペーンを中断することが明らかにされた。残ったのはウクライナの汚職事件に関係していると言われているジョー・バイデンだ。 ウクライナのスキャンダルもあって2月には人気が大きく低下させていたバイデンだが、大富豪のマイケル・ブルームバーグ、イスラエルやCIAとの関係が露見したピート・ブータジャジ、やはりイスラエルとの関係が深いアミー・クロウバシャー、元ハーバード大学教授で外交問題はイスラエルに従っているエリザベス・ウォーレンらが撤退、COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大が話題になる中、復活した。 民主党の幹部は2016年の大統領選挙でもサンダースを潰すために工作を裏で行っていた。その一端を明らかにする電子メールを2016年3月に公表したのがウィキリークスだったが、その看板的な存在だったジュリアン・アッサンジは2019年4月、ロンドンのエクアドル大使館でイギリス警察に逮捕され、現在はベルマーシュ刑務所の中だ。ここはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われている。 尋問にはアメリカから国防総省、FBI、CIAの人間が参加、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用されとも伝えられた。この薬は幻覚を生じさせ、現実と幻覚を混乱させるほか、昏睡、物忘れなどを含む意識障害、あるいは運動失調症を引き起こすとされている。精神的な面で治療が必要な情況になったとも言われた。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、ウィキリークスが2012年2月に公表した民間情報会社ストラトフォーの電子メールによると、アメリカ当局がアッサンジを秘密裏に起訴したのは2011年初め。その後、この情報は公的な文書で確認された。ケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書の中で、アッサンジが秘密裏に起訴されていると記載されているのだ。 2016年の選挙での勝利者はヒラリー・クリントンだと2015年の段階では見通されていた。2015年6月中旬にオーストリアで開催されたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。 こうした流れに変化が生じたと言われたのは2016年2月。10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談、22日にはシリアで停戦の合意が成立したからだ。 クリントンはバラク・オバマ政権の外交政策を引き継ぎ、ロシアとの関係悪化を推進すると見られていた。オバマ政権の副大統領がバイデンだ。 オバマ政権は中東制圧を正規軍からサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵(アル・カイダ系武装集団)に切り替え、2014年にはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)が売り出された。この武装集団は残虐さを演出、リビアのケースと同じようにアメリカ/NATO軍による空爆と地上の傭兵を連携させた侵略を容認する雰囲気を作ろうとした。 オバマ政権の政策はダーイッシュ的なサラフィ主義者やムスリム同胞団の武装集団を作りだし、シリア東部をその集団が支配すると2012年の段階で警告していたのがアメリカ軍の情報機関DIAで、その時のDIA局長がマイケル・フリン中将だった。フリンは2014年8月に退役を強いられる。 2014年2月にオバマ政権のネオコン(シオニストの一派)はウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。選挙で民主的に選ばれた政権をアメリカは暴力的に倒したのだ。 この年の9月から12月にかけてアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6は香港で「佔領行動(雨傘運動)」を仕掛け、中国政府を揺さぶった。その運動の指導者として知られているのは、イギリス王室の顧問弁護士を務めていた李柱銘(マーチン・リー)、メディア王と呼ばれる親欧米派の黎智英(ジミー・リー)、香港大学の戴耀廷(ベニー・タイ)副教授、あるいは陳日君(ジョセフ・ゼン)、余若薇(オードリー・ユー)、陳方安生(アンソン・チャン)らだ。(つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.04.09 18:34:00
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